2013年5月19日日曜日

牛丼市場句会・作者発表

たいへん遅くなり、申し訳ありません。

行く春の牛乳瓶の並べある       露結    朝由亜
鰻丼の蓋浮いて来る若葉かな      露結  
母の日や小学校も市役所も       露結    由亜
チューリップ渡船場行きのバスに乗る  露結    海
石段の空へ近づく山躑躅        露結    海朝

火取虫壁に掛かりし牛の顔       あんこ   露四
朝焼や場外市場の海鮮丼        あんこ  
片言でねぎる市場の青メロン      あんこ   直た独
花糸瓜運動場を横切りぬ        あんこ   た四
氷生まれる音夜の冷蔵庫        あんこ  

初夏の投げキッスする闘牛士      直子  
鉄火丼待つ間にあがる驟雨かな     直子    露不あ由亜
空蝉をひろふ廃市や夕映えて      直子    海た
役場の灯あかあかとして喜雨の中    直子    八
炎天や踏切といふ地獄門        直子    海四
来ておくれ風の五月が終はつたら    直子    朝

初夏になおも四角き牛脂かな      八志    露独四
丼を拭いたらまるく南風        八志    不直たあ
朝市に頭抜けてあおきバナナある    八志    海不直亜
場当たりに薔薇を植えたり母の庭    八志    由独四
蛹よりえらそうな小さな粽       八志    四

牛小屋の軒を鳴らせり夏燕       海太    不
鰻丼の過去あり蓋付金魚鉢       海太    露不
花は葉に八つ墓村は津山市に      海太  
竹皮を脱いで場面は暗転す       海太    露独
語るなら鯖火は遠くとほく見よ     海太    八あ四

隆々と艶々と牛冷しけり        朝比古   海不
万緑や丼飯をかきこみて        朝比古   八あ亜四
白南風やどつと人出て朝の市      朝比古   直八
麦の秋大場正夫は起ち上がる      朝比古   八
菖蒲湯の菖蒲ぬるぬるしてゐたり    朝比古   直あ

おっぱいのあかちゃんいねむり蝸牛   たろう  
牛丼の吉野家かるがもの子とことこ   たろう  
亀鳴いて亀の子たわし蚤の市      たろう   由
彼女の場末母の日の美容外科      たろう  
ざら紙のざら目ざらざらかき氷     たろう   亜独

緑陰に牛乳瓶の蓋集め         由季    露朝八亜
丼の底のうずまき五月来る       由季    露海亜独
朝曇見学不可の花き市場        由季    海独
はつなつや高田馬場の道捩れ      由季    海直八独
薄暑光ボールを追はぬ犬もゐて     由季    た八亜独

焦点の合はぬ牛の瞳熊ん蜂       不孤  
親子丼の仕舞スプーン修司の忌     不孤    由
のみの市に来てゐるほとけどぢやうかな 不孤    八
場あたりな句のばらけたる薄暑かな   不孤  
卜伝てふ地酒立夏の鹿島立ち      不孤  

思ひきり自分を生きて蝸牛       亜紀    朝直た独
行く春の天丼に海老ひとつ乗る     亜紀    あ
しやぼん玉吹いて巡れる姉妹都市    亜紀    露海八由四
踊場が居場所となりぬひきがへる    亜紀    露不朝直八由
したたかにただがむしやらになめくじり 亜紀    朝た八
女々しくて歌ひつつ春惜しみけり    亜紀    直た
化粧塩少し焦げたる岩魚かな      亜紀    朝直あ独四

牛乳を飲み干す喉に夏来る       独楽    海不朝直あ由亜四
丼の蓋をはみ出す穴子かな       独楽    朝直
卯の花腐し毎年上がる市民税      独楽    露不四
球場に企業の名前雲の峰        独楽    朝あ亜
生ビール尾てい骨まで沁み渡り     独楽    朝たあ由

牛乳の色になるまで精を出す      四童    露不
丼の違ふ大盛五月晴          四童    露不由独
はつなつの行き渡りたる陶器市     四童    たあ亜
つばくろを映して場面切替はる     四童    海不た
あたらしき蟻穴ふらここの下に     四童    たあ由

以上。(集計:不孤)

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