2013年5月7日火曜日

縮毛矯正句会・作者発表

多々のご参加・早々の選句、感謝です。

しめやかに蛞蝓の視野縮みゆく    露結    四海不朝由亜幹
父の日の育毛剤の説明書       露結  
葉桜が囲む矯正院跡地        露結    独直あ
夏帽の語る浮気の正当性       露結    海独
桜桃やキャバクラ嬢の名刺受く    露結  

流蛍の縮れラーメンとも違ふ     海太  
昼寝覚毛は口ほどに物を言ひ     海太    不
真つ直ぐに胡瓜を矯めて糠床に    海太    露独朝由亜幹た
正直に言へば良いのに雨乞と     海太    幹
調書には蛇の衣だと言ふことに    海太    露独由あ亜幹

蝉出でて縮まつてゆく蝉の殻     朝比古   不直
体内に毛細管や麦の秋        朝比古   幹た
陶枕に矯正されてゐたりけり     朝比古   四海不由亜
網戸から見ゆる正しき家族かな    朝比古   四海露直由亜幹
ズボン脱ぐまでに至らず磯遊び    朝比古   四海不幹

離陸して島の縮んで行く暮春     直子    四海不由あ幹
惜春の羽毛布団の匂ひかな      直子  
行く春の奇矯な教師号泣す      直子  
春送る正直者のうす笑ひ       直子    独
かの姫の振る手疲れし暮の春     直子    四

緑の夜インド音楽伸縮す       あんこ   四露独直由亜た
若葉風眉毛広げて笑ひをり      あんこ   不
守宮の夜箸の持ち方矯正す      あんこ   亜
麦の秋正しき道へ復帰せり      あんこ   四朝亜
新樹風ブラックホールのやうに泣く  あんこ  

噴水の水伸び縮みして薄暮      独楽    露朝あた
植毛を終へて我が世の夏来る     独楽    露幹
奇矯なる声あげてゐる鯉幟      独楽    幹
正確に二つに割りし柏餅       独楽  
はつなつのピアノ母より来る文    独楽    あ

縮緬の小切れ降るごと春暮るる    藤幹子  
君が背を覆ふ原初の毛にてふてふ   藤幹子   四不
矯めること膝閉じること黄のパンジー 藤幹子  
正確に言はねばならぬ種袋      藤幹子   露
壁は地に地は壁に生ゆ半仙戯     藤幹子   四海露直

口あけて伸びて縮んでつばめの子   たろう   独あ
毛虫焼く炎の山河鼻毛ぬく      たろう  
矯正の歯並び美人豆の花       たろう   露不直由亜
俎板の正目まっすぐこいのぼり    たろう   四あ亜
昭和の日伝言版はそのままに     たろう   朝

飛ぶ前に縮みしやうな天道虫     由季    直幹た
毛筆の叱り状来る暮春かな      由季    独不直亜
一枝を矯めつ眇めつ八重桜      由季  
正座して亀の鳴くのを聴いてをり   由季    海朝た
シミュレーション通りの会話別れ霜  由季    海独不直

新聞の縮刷版や昭和の日       亜紀    露朝た
たんぽぽの綿毛吹く人吹かぬ人    亜紀    露朝由た
永き日の猫背矯正ギブスかな     亜紀  
端正な富士の湖面や夏来る      亜紀    海不
スマートボールじぐざくに春惜しむ  亜紀    朝た
花は葉にドミノ倒して行きにけり   亜紀    海朝あ幹た
薫風や国旗掲げしレストラン     亜紀    独直あ

縮んでは伸びて蚕の大喰ひ      不孤    た
昭和の日千円で売る毛語録      不孤    独直た
登山靴より重たいぞ矯正靴      不孤    海
正門の八割閉ざし花は葉に      不孤    由あ
黒蜜のやうな露天湯あめんばう    不孤    四直由あ亜

旋回し伸び縮みする鉄線花      四童    由
体毛のぐんぐん伸びるみどりの夜   四童    朝亜
はつなつの矯正下着めり込めり    四童    露
正の字で数へて柏餅さばく      四童    朝あ
こんな日は暖かそうな葱坊主     四童    独

以上。(集計:不孤)

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