2013年11月24日日曜日

牛脂注入句会・投句一覧

【牛】
寒月の見上げて屋根の上に牛
牛久沼へら鮒センター冬めける
牛舌のスライスされてゆく枯野
牛肉の部位のいろいろ冬めきぬ
牛肉や闇鍋よりも怖き鍋
牛乳も頼まれてをり革ジャンパー
牛乳やことばひとつに湯ざめして
牛乳を半分のこす七五三
牛丼にキムチを乗せて日短し
聖夜劇牛のやうなる馬の出て
着膨れて籠に牛脂の二三片
冬の夜の牛乳パック底白し
冬暮のことに雄牛のうしろ姿

【脂】
すき焼のまづは脂を見つめけり
すき焼のまづは脂を焼いてをり
マーガリン塗ってあげるよ漱石忌
寒暁の舌にしみ入る乳脂肪
脂ぎる思考勤労感謝の日
脂身を絞り獲られて冬紅葉
脂身を殖やしていたる霜夜かな
松脂を弓にすべらせ冬の指
大鍋に牛脂めぐらす霜の夜
冬の虹パン工場の油脂匂ふ
冬の夜のサイコロ型の牛脂かな
冬青空体脂肪計壊れている
剥がされて脂身の冷たき重さ

【注】
パレードの冬木の道を注視せり
外注に出して狸の顔をする
寒星や注釈おほきポストモダン
紅茶注ぐときの傾き神の留守
注がれて冬三日月になるところ
注ぎ方を叱られてゐる忘年会
注射器の先から冬となりにけり
注射器の尖より液や冬日差
注文を繰り返す声おでん酒
注目をあつめぬ人や冬景色
湯たんぽに熱湯注ぐ水も少し
鼻の穴膨らむ注射小六月
綿虫に注意の隙をつかれをり

【入】
ちくわぶを入れて関東平民党
外苑の銀杏黄葉に入り浸る
狐火を語る補聴器聴く入歯
初雪やここより進入禁止とす
侵入を企ててゐる冬霞
雪吊も入れて全員写真撮る
冬帽子モニターに青空入れる
入荷待ち五千億年冬銀河
入口の出口に同じ十二月
入口の裏は出口よ神の旅
風邪に臥して見る太陽の入射角
妹の入れ歯のような寒北斗
霰降る罪の香りの入浴剤

【当季雑詠】
お手拭きで顔を一周小六月
にんげんや鯨食ふとき口ひらく
プレハブをぱたぱた建てて冬に入る
安楽椅子ゆらゆら枯野尽きるまで
果てしなきパンツの中の枯野かな
寒夕焼おそろしき棒ばかりなり
狐火を棲まはせてゐし左胸
参加賞もらひ勤労感謝の日
少年が持ってきた棒冬日向
冬の日のもう閉まらない玉手箱
冬の鵙ボタンに穴の四つある
冬日向みな青信号待つ顔す
憂国忌なほ徒党組む冬の蟻
林檎パイエラーメッセージ止まらず
恋の句にくしゃみ恒貞親王伝

(以上)

13句選(特選、逆選なし)
選句締切:11月29日(金)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から13句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。

ではよろしくお願い致します。

15 件のコメント:

  1. トオイダイスケ2013年11月24日 4:25

    ○寒月の見上げて屋根の上に牛
    メルヘンチックというか、谷岡ヤスジを思いもした。

    ○牛肉の部位のいろいろ冬めきぬ
    内臓も含め、焼かれる前の肉は冷たくなまめかしい。

    ○牛乳を半分のこす七五三
    七五三なのにすごい日常感。「のこす」のひらがなが五歳の男児を思わせる。

    ○聖夜劇牛のやうなる馬の出て
    拙さと神聖さとを併せ持つ感が強い。布で作って人が入っているような馬。

    ○着膨れて籠に牛脂の二三片
    確かにラードは二三個買っていく。そんなに使わなかったりするが。

    ○すき焼のまづは脂を見つめけり
    見つめる。まさに。これからへの期待を持って。

    ○松脂を弓にすべらせ冬の指
    あの独特の匂いと冬は何となく合う気がする。ハンドクリーム感もあるのか。

    ○大鍋に牛脂めぐらす霜の夜
    冷たい空気と鍋の熱さとがよく浮かび上がってくる。

    ○冬の虹パン工場の油脂匂ふ
    この匂いは少し焦げたようなほの甘い心地良い匂い。

    ○鼻の穴膨らむ注射小六月
    ばかばかしいですが、まさに。

    ○入荷待ち五千億年冬銀河
    気が遠くなる。

    ○霰降る罪の香りの入浴剤
    入浴剤そのものに軽い背徳感がそういえばある気がしてくる。肌にしみて鼻がひりひりするような寒さ。

    ○寒夕焼おそろしき棒ばかりなり
    暴力の気配が漂っている。

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  2. ★牛久沼へら鮒センター冬めける
     釣りの究極はへら鮒らしい。牛久沼、嵌ってる感あり。

    ★聖夜劇牛のやうなる馬の出て
     クリスマスの浮かれ気分に滋味をプラス。

    ★マーガリン塗ってあげるよ漱石忌
     マーガリン、どこに塗るかが問題。ちょっとエロい。

    ★脂ぎる思考勤労感謝の日
     勤労感謝って曖昧な感慨。脂ぎる思考、結構健全と思う。

    ★紅茶注ぐときの傾き神の留守
     微妙な角度。

    ★注ぎ方を叱られてゐる忘年会
     新人さんの通過儀礼。「修行とは矛盾の肯定」とは立川談志の言葉だったか。

    ★外苑の銀杏黄葉に入り浸る
     あぁ、入り浸りたい。

    ★初雪やここより進入禁止とす
     でも入ってきちゃう。

    ★雪吊も入れて全員写真撮る
     天辺まで入れてね。

    ★妹の入れ歯のような寒北斗
     シュールなナンセンス感が好み。

    ★果てしなきパンツの中の枯野かな
     勝新太郎だろうか。

    ★寒夕焼おそろしき棒ばかりなり
     おそろしき棒、曖昧で景を結べないけれど、何となく解る。

    ★冬の日のもう閉まらない玉手箱
     たくさんのお宝、御同慶の至り。

    返信削除
  3. ◯牛久沼へら鮒センター冬めける
    行ったことないのに、景色が目に浮かぶ。

    ◯牛乳やことばひとつに湯ざめして
    妻に叱られた。

    ◯牛丼にキムチを乗せて日短し
    すき家ですな。

    ◯冬の虹パン工場の油脂匂ふ
    パン工場の油脂の意外性。

    ◯剥がされて脂身の冷たき重さ
    死体のような。

    ◯紅茶注ぐときの傾き神の留守
    こぼさぬように。

    ◯注がれて冬三日月になるところ

    ◯湯たんぽに熱湯注ぐ水も少し
    熱すぎた。

    ◯鼻の穴膨らむ注射小六月
    私も膨らんでいるのかな。

    ◯お手拭きで顔を一周小六月
    そのあと、熱燗。

    ◯プレハブをぱたぱた建てて冬に入る
    仕舞うときもパタパタ?

    ◯寒夕焼おそろしき棒ばかりなり
    六十億本の~。

    ◯少年が持ってきた棒冬日向
    野球やろうよ。


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  4. ○牛久沼へら鮒センター冬めける
    牛久沼が利いていると思います。

    ○牛乳やことばひとつに湯ざめして
    ちょっとさびしい夜。

    ○聖夜劇牛のやうなる馬の出て
    確かに教会幼稚園に通ってた頃、そういう馬が出てきた。

    ○松脂を弓にすべらせ冬の指
    動きが見えます。

    ○大鍋に牛脂めぐらす霜の夜
    おいしそう。

    ○外注に出して狸の顔をする
    狸親父?

    ○注射器の先から冬となりにけり
    鋭角の先端のイメージがいい。

    ○鼻の穴膨らむ注射小六月
    ちくっと痛いですよね。

    ○雪吊も入れて全員写真撮る
    少しずつはみ出しながら、ハイ、ポーズ!

    ○お手拭きで顔を一周小六月
    ぬくくて気持ちよさそう。

    ○プレハブをぱたぱた建てて冬に入る
    風の音と寒さも感じます。

    ○安楽椅子ゆらゆら枯野尽きるまで
    冬の長い夜の物語のようです。

    ○冬日向みな青信号待つ顔す
    青信号で日差しを感じます。

    返信削除
  5. ○牛肉の部位のいろいろ冬めきぬ
    焼き肉屋によくありますよね、牛の部位の図。焼き肉の恋しい季節…ってことではなく。

    ○牛乳も頼まれてをり革ジャンパー
    革ジャンの息子に買い物を頼むの図かな。独居老人から注文とる配達員もいいな。

    ○牛丼にキムチを乗せて日短し
    この色彩と季語はなかなか。

    ○聖夜劇牛のやうなる馬の出て
    素人劇はこうでなくっちゃ。

    ○脂身を殖やしていたる霜夜かな
    これも冬支度ということで。太り過ぎないことを祈ります。

    ○松脂を弓にすべらせ冬の指
    指の固まりも弛ませて、よい演奏を。

    ○注射器の先から冬となりにけり
    先端の小さな尖りが目に凍みます。

    ○初雪やここより進入禁止とす
    具体的に山道などと、心のありようとも。

    ○侵入を企ててゐる冬霞
    すっぽりと家をおおっているのでしょう。

    ○お手拭きで顔を一周小六月
    一周がよろしき可笑しさ。

    ○安楽椅子ゆらゆら枯野尽きるまで
    ゆらゆら枯野、この歳になると実感します。

    ○寒夕焼おそろしき棒ばかりなり
    夕焼と闇。なにか起こりそうです。

    ○少年が持ってきた棒冬日向
    少年といっても小学生って感じかな。

    返信削除
  6. ■牛乳も頼まれてをり革ジャンパー
    ■牛乳を半分のこす七五三
    ■松脂を弓にすべらせ冬の指
    ■外注に出して狸の顔をする
    ■注文を繰り返す声おでん酒
    ■雪吊も入れて全員写真撮る
    ■風邪に臥して見る太陽の入射角
    ■霰降る罪の香りの入浴剤
    ■にんげんや鯨食ふとき口ひらく
    ■少年が持ってきた棒冬日向
    ■冬の日のもう閉まらない玉手箱
    ■林檎パイエラーメッセージ止まらず

    初参加です よろしくお願いいたします とうふ

    返信削除
  7. 申し訳ありあせん 12句でした この句を入れてください

    ■安楽椅子ゆらゆら枯野尽きるまで

    失礼しました お手数をおかけします とうふ

    返信削除
  8. ○寒月の見上げて屋根の上に牛
    月に照らされた牛のシルエットが何ともシュール。

    ○牛久沼へら鮒センター冬めける
    牛久沼には実際にへら鮒センターがあるそうな。固有名詞がずばりと決まっています。

    ○牛舌のスライスされてゆく枯野
    季語が若干唐突な気もするけれど、牛舌との取り合わせは面白いです。

    ○聖夜劇牛のやうなる馬の出て
    造型がうまくいかなかったんですね。幼稚園とかでありそうな景。

    ○脂ぎる思考勤労感謝の日
    人生には脂の乗った時期というものがあるもので。ギラギラしています。

    ○松脂を弓にすべらせ冬の指
    弓道では松脂を使うのですね。繊細そうな指がきれいです。

    ○寒星や注釈おほきポストモダン
    ポストモダンって未だに理解できないのです。注釈多めだと助かります。

    ○注がれて冬三日月になるところ
    ポエミーです。何が注がれているのかわからないのですが。

    ○鼻の穴膨らむ注射小六月
    注射に挑む意気込みが感じられます。三句切れにもなってしまう点はご愛嬌。

    ○雪吊も入れて全員写真撮る
    記念樹か何かなのでしょうか。木を仲間に入れる感じが微笑ましいです。

    ○妹の入れ歯のような寒北斗
    やられた感あり。新しい直喩の誕生。

    ○果てしなきパンツの中の枯野かな
    枯れてますか(笑)しかも果てしなく。可笑しいやら悲しいやら。

    ○冬日向みな青信号待つ顔す
    信号を見つめる表情はみな同じ。見事な発見です。

    返信削除
  9. とうふです 度々すみません 句評を添えさせていただきます
    (目立たないように参加するつもりが、逆効果になってしまいましたw)

    革ジャンパー…男とは、こういう革ジャンパーの男であるしかない
    七五三…七割五割三割で牛乳を飲み残した子供たち
    松脂…冬の空気感が四方に正座している
    外注…狸が狸の顔をしてをり
    おでん酒…おでん酒、これでいい 注文を永遠に繰り返せ
    雪吊…カメラの孤独を誰が知る(金沢の兼六園を思い出しました)
    入射角…このアングルは俳句を裏返してしまうだろう
    入浴剤…入浴剤の句がこれから増えてくるだろう微妙な時代
    安楽椅子…俳句なんてやめていいんだってことにこうして気付きたいものだ
    にんげんや…ひらがな表記が気味悪くて、それが鯨
    少年…これで殺れ、と言っているのだ
    玉手箱…玉手箱から無数の手が出る足が出る、しかし胴体は
    林檎パイ…林檎パイってどういう意味だったか、いつの日かみんな忘れ果てて


    とうふ





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  10. ○寒月の見上げて屋根の上に牛
    意外感。

    ○牛乳も頼まれてをり革ジャンパー
    裏切感。

    ○牛乳を半分のこす七五三
    我儘感。

    ○マーガリン塗ってあげるよ漱石忌
    性技感。

    ○脂身を殖やしていたる霜夜かな
    無常感。

    ○松脂を弓にすべらせ冬の指
    武将感。

    ○外注に出して狸の顔をする
    欺瞞感。

    ○注ぎ方を叱られてゐる忘年会
    武骨感。

    ○注射器の先から冬となりにけり
    不条理感。

    ○お手拭きで顔を一周小六月
    不潔感。

    ○安楽椅子ゆらゆら枯野尽きるまで
    達観。

    ○参加賞もらひ勤労感謝の日
    真面目感。

    ○林檎パイエラーメッセージ止まらず
    焦燥感。

    返信削除
  11. ○牛久沼へら鮒センター冬めける
     牛久沼水辺公園の近傍に伊勢屋へら鮒センターが実在する。また牛久沼はうな丼の発祥の地とされ、伊勢屋なるうなぎ屋も実在する。句では「冬めける」により場末の雰囲気を漂わせているが、そのじつ、伊勢屋は土地の権力者として羽振りをきかせているのだろうか。

    ○牛肉の部位のいろいろ冬めきぬ
     からだじゅう食べられてしまう牛の哀感が、「冬めきぬ」から感じられる。もっとも牛の知るところではなかろう。

    ○牛乳を半分のこす七五三
     「半分」と対置すると、にわかに「七五三」がただならぬ文字列に見えてくるのはどうしたものだ。

    ○聖夜劇牛のやうなる馬の出て
     きょうびの非公認ゆるキャラのような、デッサンのくずれた馬なのだろう。「聖夜劇」というのがつつましやかで効いている。

    ○マーガリン塗ってあげるよ漱石忌
     縁側で妻のはげを見つけるような人物がそんなことをするのかと思うと妙に可笑しい。題が入っていないのに採らされてしまった。
     
    ○外注に出して狸の顔をする
     社会派俳句である。

    ○紅茶注ぐときの傾き神の留守
     季語の斡旋の巧みさのせいか、厳格な作法が感じられてほほえましい。

    ○鼻の穴膨らむ注射小六月
     人それぞれいろいろな癖があるのだろう。

    ○狐火を語る補聴器聴く入歯
     漢詩にこんな技法があったはずだが、技法の名前が思い出せない。老いてますます頓珍漢な感じが出ている。

    ○雪吊も入れて全員写真撮る
     清澄庭園あたりでは日常茶飯の光景だろう。これ、すごくカメラマン泣かせだと思う。

    ○妹の入れ歯のような寒北斗
     句の善し悪しとは別のところで、我々もついに妹の入れ歯を句材とする年代となってしまったか、という感慨がある。

    ○霰降る罪の香りの入浴剤
     罪の香りだし、不自然に暖まる。

    ○少年が持ってきた棒冬日向
     季語のせいか、みょうに間が抜けていて、決して凶器準備集合罪に問われるような棒ではないだろう。

    返信削除
  12. ○牛久沼へら鮒センター冬めける
    牛久沼、味わいがあります。

    ○牛肉の部位のいろいろ冬めきぬ
    あの部位を説明する図を思い出しますね。

    ○牛乳も頼まれてをり革ジャンパー
    息子かな。生返事してそう。

    ○牛乳やことばひとつに湯ざめして
    それは湯冷めとは違うかも。

    ○すき焼のまづは脂を見つめけり
    似たような句がありますが、見つめるに一工夫あり。

    ○松脂を弓にすべらせ冬の指
    松脂がいいですね。冬の指はどうでしょうか。

    ○冬の虹パン工場の油脂匂ふ
    この油脂の匂いは、良い感じです。

    ○冬青空体脂肪計壊れている
    そう思いたい気持ちはわかります。

    ○紅茶注ぐときの傾き神の留守
    傾きに注目したところ。

    ○侵入を企ててゐる冬霞
    防ぐのは難しいでしょう。

    ○お手拭きで顔を一周小六月
    嫌がると余計大げさにやる人がいる。

    ○プレハブをぱたぱた建てて冬に入る
    本当、ぱたぱたという感じですね。

    ○少年が持ってきた棒冬日向
    小さな子かなぁと思いました。

    返信削除
  13. お久しぶりです。よろしくお願いします。

    ◯牛肉の部位のいろいろ冬めきぬ

    冷たい感じがでています。



    ◯牛乳も頼まれてをり革ジャンパー

    いい人なんでしょうね。



    ◯松脂を弓にすべらせ冬の指

    「冬の指」ぎりぎりストライクの妙。



    ◯冬の虹パン工場の油脂匂ふ

    「冬の虹」がとてもいい。



    ◯剥がされて脂身の冷たき重さ

    ああ、あの感触が。



    ◯寒星や注釈おほきポストモダン

    そんな感じですね。



    ◯紅茶注ぐときの傾き神の留守

    ちょっとした瞬間の切り取りが素敵。



    ◯注ぎ方を叱られてゐる忘年会

    たまりませんよね。



    ◯注射器の先から冬となりにけり

    つんッとね。



    ◯注目をあつめぬ人や冬景色

    注目をあつめない人ということで注目されてますね。



    ◯湯たんぽに熱湯注ぐ水も少し

    「水も少し」がいいですね。



    ◯雪吊も入れて全員写真撮る

    それはそれは立派なのでしょう。



    ◯お手拭きで顔を一周小六月

    「顔を一周」が小六月の微笑ましさ。

    返信削除
  14. ◯牛乳やことばひとつに湯ざめして
    もういっぺん風呂いってきます。

    ◯着膨れて籠に牛脂の二三片
    服の下に霜降り牛が、、

    ◯松脂を弓にすべらせ冬の指
    「脂」の句の中で一番美しい。でも松脂も結構臭う。

    ◯冬青空体脂肪計壊れている
    秋の終わりと後悔。

    ◯紅茶注ぐときの傾き神の留守
    右京さんですね。

    ◯注ぎ方を叱られてゐる忘年会
    見逃してくれよ。

    ◯注目をあつめぬ人や冬景色
    景色に負けました。

    ◯湯たんぽに熱湯注ぐ水も少し
    だから熱いっていったでしょ。

    ◯鼻の穴膨らむ注射小六月
    痛くない、痛くない。

    ◯綿虫に注意の隙をつかれをり
    どこからでも入ってきます。

    ◯霰降る罪の香りの入浴剤
    よく洗い流しましょう。

    ◯お手拭きで顔を一周小六月
    さっぱりしました。

    ◯安楽椅子ゆらゆら枯野尽きるまで
    すばらしき余生。

    返信削除
  15. ○牛肉の部位のいろいろ冬めきぬ
    部位のいろいろに説得力が。

    ○牛乳も頼まれてをり革ジャンパー
    革ジャンパーが良かったです。イメージ喚起力あり。

    ○聖夜劇牛のやうなる馬の出て
    手作り感が出ていますね。w

    ○松脂を弓にすべらせ冬の指
    所作が見えてきます。

    ○大鍋に牛脂めぐらす霜の夜
    霜の夜が効いています。

    ○冬の虹パン工場の油脂匂ふ
    パン工場独特の匂いがしますね。

    ○外注に出して狸の顔をする
    なんで狸なん?可笑しい。

    ○鼻の穴膨らむ注射小六月
    緊張の瞬間。

    ○雪吊も入れて全員写真撮る
    季語が動くような動かぬような。

    ○にんげんや鯨食ふとき口ひらく
    ひらがな表記でよりリアルに。

    ○安楽椅子ゆらゆら枯野尽きるまで
    そのままフェイドアウト・・・。物語を感じます。

    ○少年が持ってきた棒冬日向
    何ということのないものに惹かれるんですよね。

    ○冬の日のもう閉まらない玉手箱
    中七が何といってもお上手です。

    返信削除