発表です。
薄原といふほどもなく薄立つ 露結
由もなく利尻思へば火恋し 露結 ダ
恋多き祖母の形見の秋袷 露結 廣朝不独四
虫売や虫のほかにもいろいろと 露結 ダ独幹
いろいろを流して秋の雨はげし 露結
冬立つやしゆるしゆる薄き鉋屑 朝比古 廣ダ不露亜
冬麗のシーツに糊を利かせけり 朝比古 ダ苑露
冬眠に備へて多面体となる 朝比古 廣あダ独幹苑露由四
うつくしき水の売らるる冬はじめ 朝比古 廣幹苑亜四
しばらくは松を見てをり松手入 朝比古 独幹苑露由亜け四
薄命に憧れる子や火恋し ダイスケ 独
利き腕のややたくましき茸狩 ダイスケ 廣あ海四
多項式の各項にあるきのこかな ダイスケ 廣独幹苑
売物も私物もありて秋灯下 ダイスケ 不露由四
洗ひ上げたる里芋の心細し ダイスケ
薄紙に鳥の図案や寒苺 藤幹子 独
利根川を眠る山まで遡る 藤幹子 朝あ不由
海鼠腸のやうな多弁を弄しけり 藤幹子 廣不四
革ジャンの売人湿りある硬貨 藤幹子 あ不苑け
教室はアガアの中へそぞろ寒 藤幹子
ちやんと上手に汁出せる猪や 藤幹子
薄力粉VS牛すじ&葱 海太 廣不四
寄鍋や利ザヤも灰汁にして泡 海太 け
御多分に漏れず無愛想日向ぼこ 海太 廣朝
雪女郎ン百歳売防法はン十年 海太
吾に余生手紙に余白冬に入る 海太 あ
薄墨の世界を駆け回る兎 独楽 朝あダ海幹苑由け
冬茜再び夢を見る権利 独楽 海露け
熱戦が終わり多摩川雪催 独楽
売店のおばちゃんたちの酉の市 独楽 露由
白息やはじめて出来た逆上がり 独楽 海
木枯に挑むごとく祈るごとく 独楽 あ
薄情な猫の目配せ神無月 廣島屋
文化の日利鞘を稼ぐ子がひとり 廣島屋 不独
ハロウィンに多羅尾伴内が十人 廣島屋 朝独苑
泣き売の声あそこから後の月 廣島屋 あ
小春日やあまりに早く着きすぎて 廣島屋 あ由亜け
薄紙にくるむ焼菓子ふゆはじめ 苑を 海幹露亜四
私利私欲にも冬蠅のあはれかな 苑を
鍋料理多士済々と囃しつつ 苑を
売地とあり初雪の舞つてをり 苑を 朝け四
鶏にパン粉をまぶす小春日よ 苑を
薄紙に綴られしごと秋の声 けんじ
徳利の深き上げ底冬の夜 けんじ
闇汁の闇の部分が多過ぎる けんじ
暖冬の予感色なき薬売り けんじ 独
冬の空猫の見上げし角度かな けんじ
望遠鏡薄き毛布を引き上ぐる あんこ 露由
ロボットの利口な言葉小六月 あんこ 不幹露由亜
茶の花やほほゑみ多きPTA あんこ ダ亜
冬帽子売値の三度直されて あんこ 廣ダ苑露亜四
身の内にメトロノームよ冬銀河 あんこ 朝
饅頭の皮の薄さよ冬に入る 亜紀 廣海幹由
事務室の利休色なるカーディガン 亜紀 廣朝あダ不幹苑露由
英文の多読再読黄落期 亜紀
直売所までの看板稲雀 亜紀 不け
ハッカ飴ばかりなくなる文化の日 亜紀 独幹け
茎あまた倒れしままに露むすぶ 亜紀 け
白露のひかり集めてたなごころ 亜紀
そぞろ寒ちり紙引き出す音かすか 亜紀 朝
薄幸の気配をまとふ海鼠かな 由季 朝ダ不海独苑亜け四
利用者無きバス茸山巡回す 由季 ダ海露
黄落の増す多国籍料理店 由季 あ幹苑露亜四
豆腐売顔は思ひ出せず冬 由季 廣あ幹け
立冬を等身大のポスターと 由季 海亜
酷薄に生きて蟷螂枯れにけり 不孤 朝
便利屋のチラシは小さし冬隣 不孤 ダ海苑由亜
多弁ならねど唇薄しそぞろ寒 不孤
焼売のおしくらまんぢゆう引き剥す 不孤 あダ亜
割石榴五針縫うてもまだ足りぬ 不孤 四
ほんたうにうすき薄謝や初時雨 四童 不海
わたくしを利用してゐる狸かな 四童 朝独
多面体めいて敗荷なやましき 四童 海
崎陽軒焼売ぜんぶ闇鍋に 四童 朝海由け
時雨より速き自転車にて帰る 四童 廣朝あダ不海独幹苑由亜け
以上。(集計:不孤)
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