2013年11月28日木曜日

牛脂注入句会・作者発表

お待たせしてすみません。

冬暮のことに雄牛のうしろ姿     露結  
すき焼のまづは脂を見つめけり    露結    ダ由
注射器の先から冬となりにけり    露結    あ苑海ぽ
入口の出口に同じ十二月       露結  
果てしなきパンツの中の枯野かな   露結    朝独

冬の夜の牛乳パック底白し      ダイスケ  
寒暁の舌にしみ入る乳脂肪      ダイスケ  
湯たんぽに熱湯注ぐ水も少し     ダイスケ  露ぽけ
風邪に臥して見る太陽の入射角    ダイスケ  と
冬日向みな青信号待つ顔す      ダイスケ  あ独

牛舌のスライスされてゆく枯野    苑を    独
冬の虹パン工場の油脂匂ふ      苑を    ダ露由ぽ亜
紅茶注ぐときの傾き神の留守     苑を    朝露四由ぽけ
ちくわぶを入れて関東平民党     苑を  
にんげんや鯨食ふとき口ひらく    苑を    と亜

牛丼にキムチを乗せて日短し     独楽    露苑
冬青空体脂肪計壊れている      独楽    由け
外注に出して狸の顔をする      独楽    あと海四亜
霰降る罪の香りの入浴剤       独楽    ダと四け
林檎パイエラーメッセージ止まらず  独楽    と海
安楽椅子ゆらゆら枯野尽きるまで   独楽    あ苑と海け亜

牛肉の部位のいろいろ冬めきぬ    朝比古   ダ苑四由ぽ亜
すき焼のまづは脂を焼いてをり    朝比古  
注射器の尖より液や冬日差      朝比古  
入口の裏は出口よ神の旅       朝比古  
プレハブをぱたぱた建てて冬に入る  朝比古   露あ由

牛久沼へら鮒センター冬めける    海太    朝露あ独四由
脂ぎる思考勤労感謝の日       海太    朝独
鼻の穴膨らむ注射小六月       海太    ダ露あ独四け亜
狐火を語る補聴器聴く入歯      海太    四
憂国忌なほ徒党組む冬の蟻      海太  

牛乳を半分のこす七五三       ぽぽな   ダと海四
大鍋に牛脂めぐらす霜の夜      ぽぽな   ダあ亜
注がれて冬三日月になるところ    ぽぽな   露独
冬帽子モニターに青空入れる     ぽぽな  
少年が持ってきた棒冬日向      ぽぽな   露苑と四由亜

寒月の見上げて屋根の上に牛     けんじ   ダ独海
脂身を絞り獲られて冬紅葉      けんじ  
注文を繰り返す声おでん酒      けんじ   と
侵入を企ててゐる冬霞        けんじ   苑由
冬の日のもう閉まらない玉手箱    けんじ   朝と亜

牛乳も頼まれてをり革ジャンパー   あんこ   苑と海由ぽ亜
剥がされて脂身の冷たき重さ     あんこ   露ぽ
綿虫に注意の隙をつかれをり     あんこ   け
初雪やここより進入禁止とす     あんこ   朝苑
狐火を棲まはせてゐし左胸      あんこ  

牛乳やことばひとつに湯ざめして   とうふ   露あ由け
マーガリン塗ってあげるよ漱石忌   とうふ   朝海四
注目をあつめぬ人や冬景色      とうふ   ぽけ
妹の入れ歯のような寒北斗      とうふ   朝独四
恋の句にくしゃみ恒貞親王伝     とうふ  

聖夜劇牛のやうなる馬の出て     由季    ダ朝あ苑独四亜
冬の夜のサイコロ型の牛脂かな    由季  
注ぎ方を叱られてゐる忘年会     由季    朝海ぽけ
雪吊も入れて全員写真撮る      由季    朝あと独四ぽ亜
参加賞もらひ勤労感謝の日      由季    海

着膨れて籠に牛脂の二三片      亜紀    ダけ
脂身を殖やしていたる霜夜かな    亜紀    苑海
パレードの冬木の道を注視せり    亜紀  
外苑の銀杏黄葉に入り浸る      亜紀    朝
お手拭きで顔を一周小六月      亜紀    露あ苑海由ぽけ
冬の鵙ボタンに穴の四つある     亜紀  

牛肉や闇鍋よりも怖き鍋       四童  
松脂を弓にすべらせ冬の指      四童    ダあ苑と独海由ぽけ亜
寒星や注釈おほきポストモダン    四童    独ぽ
入荷待ち五千億年冬銀河       四童    ダ
寒夕焼おそろしき棒ばかりなり    四童    ダ朝露苑

以上。(集計:不孤)

0 件のコメント:

コメントを投稿