2014年3月26日水曜日

浮気調査句会・作者発表

お待たせしました。

脳味噌のすこし浮腫みて朧月     露結    四
気象庁にとらへられたる春一番    露結    海
調味料加へて春の愁とす       露結  
春泥や東京からの査察団       露結    六亜四
落椿勝手にすればいいと思ふ     露結    ダ海六け亜

浮かぶもの漂うものよ春歌う     六番町  
蛇穴を出る低気圧の停滞       六番町  
風光る校歌だいたいハ長調      六番町   露朝あ亜
春風の巡査と白い自転車と      六番町   ダ朝亜ぽ
鳥曇フランスパンの穴はげし     六番町   朝幹け亜ぽ

やはらかく芥浮かせて花筏      朝比古   ダ百海亜ぽ
陽炎や応援団の空気椅子       朝比古   露けぽ
うすらひの流るる調べありにけり   朝比古   あぽ
春灯を消して査定の人帰る      朝比古   あ亜ぽ
当事者になつてしまひし雛の間    朝比古   露海あ亜四

雛あられふふんでなんとなく浮力   ぽぽな   露百六幹亜
陽炎を払いきれない合気道      ぽぽな   百海
春昼や調子外れの鳩時計       ぽぽな   ダけ亜
検査後の水を飲みほす遅日かな    ぽぽな   六幹あけ四
一駅をあるくのも旅春の雲      ぽぽな   ダ海六幹け

春の風邪この世を一寸浮くここち   百花    朝海幹あぽ
月々に二度の節気や下萌ゆる     百花  
調印のあとの攻防雲に鳥       百花    海幹け
山査子の雄蕊ゆたかに付けまつげ   百花    六
紅梅のとりみだしたるごとき数    百花    ダ朝幹

浮雲となるまで引鶴を送る      海太    朝百け亜
春の蚊と呼ばぬそんなに浮ついちや  海太  
しやぼんだま液体個体気体空     海太    露六
若布にも調べ一株二千株       海太    露
藍植うるツベルクリン検査まだか   海太  
鶯菜鳴くほど茹でて上機嫌      海太  
前に豊後水道後ろ蜷の道       海太  

啓蟄の飛行機浮かぶとき力む     ダイスケ  百あ
春ショール強気の恋を守りをり    ダイスケ  百
前触れなきサビの転調花薊      ダイスケ  露けぽ
恋猫の巡査ひとりとすれ違ふ     ダイスケ  朝幹四
削られて啓蟄の軟膏の丘       ダイスケ  海

春の夢浮遊してゐる句読点      けんじ   六亜四
鵜馴らしや生気を無くす呪文かけ   けんじ   ダあ
不調和の極まつてゐて地虫出づ    けんじ  
御開帳四隅に検査済の印       けんじ   朝百幹あ四
春の闇グラスの底のデスマスク    けんじ   百あ

逆光に浮島のある遅日かな      あんこ   ダ百海け
マリンタワー気泡のやうな風船よ   あんこ   ぽ
膝合はせ仕舞ふひひなの調度品    あんこ   ぽ
審査員控室出て花の冷え       あんこ   朝
菜種梅雨秒針刻む保健室       あんこ   海六幹け四

春宵や浮かれ歩きの先斗町      亜紀    ダ海
気配消すやうに息して春の昼     亜紀    露朝六四ぽ
やはらかき空気ふはりと春ショール  亜紀    四
調息のだんだん眠き養花天      亜紀    ダ幹
すぐ終る聴力検査ヒヤシンス     亜紀    百六幹四
ガナッシュに添ふるクリーム蝶の昼  亜紀    ダ

首無くて代はりに薊浮かす人     藤幹子  
土筆野へ気炎をあげぬそれつきり   藤幹子   露
家具調の乳房なりけり斑雪      藤幹子   露朝六四
鶯餅は査定には響かぬよ       藤幹子   ダ
ルリユール裁つ春宵の色見本     藤幹子   百

浮くものは光にまみれ春の鴨     四童    露あけ
春が来て肺のかたちの空気かな    四童    露朝百あぽ
空調の一定にして春の昼       四童  
学年末考査を終えて少女たり     四童  
春愁のぷるぷるとして彼女かな    四童  

以上。(集計:不孤)

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