2014年3月4日火曜日

葛西紀明句会・作者発表

にぎやかに発表です。

葛飾にゐて蓬餅日和かな        朝比古   ダ露不六四
西葛西駅に春菊そば喰へり       朝比古   不
三畳紀ジュラ紀白亜紀地虫出づ     朝比古   ダ幹
啓蟄の明るき地べたすこし鬱      朝比古   ダ海不由亜
魚は氷に上り地のものふらふらす    朝比古   不幹六

部室にまじる女の声や葛若葉      露結    朝あ
関西も関東もなしよなぐもり      露結    亜六
一世紀前にはこんな春愁も       露結    海幹由
空白のやけに明るき大試験       露結    朝百不あ由た四
月曜が締切梅の咲き揃ふ        露結    ダ朝由四

蛙合戦葛城山の麓にて         海太    不由た
葛切に持て成されたる遍路かな     海太    朝け
ウィッグは割引除外西行忌       海太    露百由六四
北方領土西方浄土鳥雲に        海太    露百六四
壺焼で締め括りたる紀勢線       海太    露百不あた六
慶應明治大正昭和大学桜散る      海太    亜
鞦韆が来るぞとちくわ大明神      海太  
雲梯の余白を点す初蝶よ        海太    不あ亜た

喝采を浴びて葛西の雪解風       けんじ   海
西窓に嘯いてゐて春兆す        けんじ   六
再生の春半世紀を無きものに      けんじ  
薄明り消へて微かな初音かな      けんじ   ダあ
早春を平らげて待つ便りかな      けんじ   ダ

春霖に葛城山の包まるる        あんこ  
西口へ早足となり春ショール      あんこ   ダ朝幹由亜
春の雪白亜紀の展示室へ入る      あんこ   露朝幹亜六
春風や明るき顔の招き猫        あんこ   ダけ由
春の雪無人のリフト回りをり      あんこ   ダ朝幹けた

校正の果の原稿諸葛菜         由季  
西側の隣家はげしく豆を撒く      由季    朝幹け亜四
初蝶の階降りて来る紀三井寺      由季    ダ海不あた六四
マッサージチェアの三方雪明り     由季    ダ露不幹六四
春の月うすつぺらなる鬼の面      由季    朝百幹あけ亜た

葛西橋越え母を訪ふ水の春       ダイスケ  
春灯下西京焼の白き照り        ダイスケ  海百
紀行文主に朝寝と酒の話        ダイスケ  海百不あけ由た四
春灯明るき昏さもたらせり       ダイスケ  あた
春の宵給油所店主ギター弾き      ダイスケ  

春まだき葛飾北斎名乗るころ      六番町   海
地虫出づ東西線の西の方        六番町   朝四
うららかや日本紀行の日本は      六番町   朝百あ
山笑う新明解を繰り笑う        六番町   幹亜た
春宵の母の三面鏡怖し         六番町  
雛あられ上手く謙遜していたり     六番町   け由亜

葛藤を箱詰めにして水温む       亜紀    海不四
冴返る早め早めの葛根湯        亜紀    海
川に沿ふ海までの道涅槃西風      亜紀    四
二十世紀に生まれて生きて春灯し    亜紀    朝け
朧夜のビルの四隅の明滅す       亜紀    ダ百た
雪解けてジャズセッションの微熱かな  亜紀  
守りきる個人情報猫の恋        亜紀    露百け

葛藤のほぐれぬままに木瓜の花     不孤    け
西向くのにのあたりなる余寒かな    不孤    四
ハッピーマンデー紀元節こそ動かさめ  不孤  
坊主バーの明朗会計春満月       不孤    海露朝百けた四
春愁や岸部シローのイエスタデイ    不孤    ダ露六

葛城の里は行者の干鰈         たろう   露百幹
苔りんどう苔の小道の西芳寺      たろう  
毬をつく紀州のとのさまうらうらら   たろう   幹あ亜
春の夜明けふたりのブラックコーヒー  たろう   海
オカリナのゆりかごなつかし岡すみれ  たろう  
すみれ野のオカリナすっぽりわらべっ子 たろう   海

葛根湯溶けきれずあり春の闇      藤幹子   朝由亜
欠けありぬ西の字牌や卒業す      藤幹子   ダ海不け由
シルル紀を知るいそぎんちやく硬きまま 藤幹子   六
春の風邪われよりほかはみな明るし   藤幹子   露六
宇宙塵ダイオウイカの眼に霞      藤幹子   百不六

葛城の山ふところの蕨萌ゆ       百花   
春眠や輪廻の中の西遊記        百花     露幹あけた
神前の私人いろいろ紀元節       百花   
腐女子てふ明治身近に春の服      百花   
白椿老人の紅いくちびる        百花     あ

葛飾の団子屋を出て日永かな      四童    海露
西班牙も香港もない春の風邪      四童  
精神に東風吹く二十一世紀       四童    露百由亜
明らかと答案に書き卒業す       四童    幹あけ由亜た
煙突を下る二月のけむの影       四童  

以上。(集計:不孤)

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