2011年11月15日火曜日

我他彼此句会・作者発表

たいへんお待たせしました。

我いつか梟的に膨らむや         藤実   四苑不
兔ゐてその他と共に抱上げる       藤実   種四ぐり由幹不
冬ぬくし彼のコッペパン黄金して     藤実
二千年狐火ねむる此岸とか        藤実
冬服のお江戸の顔に困りけり       藤実   ぐ幹不

我欲無くて何の人生蓮の実飛ぶ      不孤
わが魂に及ぶ他国の秋出水        不孤   四り幹
彼氏てふイントネーション枯芒      不孤   ぐ苑亜
此の句集背表紙がない秋のてふてふ    不孤   四由幹
ガタがきてビシッとせぬ首破れ蓮     不孤   ぐ亜

秋惜しむ竹脇無我と夢の中        ぐみ   四
冬近し高い他界の人は風         ぐみ
冬隣彼のヨンさまの産湯売る       ぐみ   四
肌恋し冬の近づくそこ此所に       ぐみ
月の海大波小波縄跳びす         ぐみ
飛行船やがて手が生え月に触れ      ぐみ   種四苑不

無我といふ冬野へ入りて帰らざる     苑を   四不
焼芋屋他人の空似だとしても       苑を   ぐ不
もう炬燵出して誰彼なく噂        苑を
此処からは入るべからず花八手      苑を
子規庵は淋しかりけり石蕗の花      苑を

我我は宇宙人なり茸狩          種茄子  四千り亜幹
年忘れ他人の靴を履いて出る       種茄子  千苑り亜由
ハロウィンの風に吹かるる彼女彼     種茄子
此辺りの者で候ふ秋の暮         種茄子  苑
当番に面倒見られなきうさぎ       種茄子  ぐ
暖かき冬来てだるまさんがころんだ    種茄子
すつぽんの冬眠したる池に鯉       種茄子

残菊や我儘ぶりや泣きぶりや       りえ
行く秋や他人同士の降りる駅       りえ   種ぐ亜由
彼方から円盤来たる文化の日       りえ   種四苑
露霜や此の世はよその家ばかり      りえ   種千
行く秋やトーテムポール寄り目がち    りえ   千苑亜
あたらしい団栗拾う墓地の内       りえ
密柑山一瞥連絡船帰る          りえ   亜由
住所録一行消して蔦紅葉         りえ   種千苑

蓑虫は蓑のまんなか我武者羅に      由季   亜
他校より借りきし選手黄落す       由季   種千不
誰彼となくほほゑみて菊人形       由季   千苑亜
此の地帯芒呆けてゐるばかり       由季   亜
LEDのひかりまつすぐ菊膾       由季   種り
深秋のダンスフロアー黒光り       由季   り亜

我々の選択権や神無月          亜紀
他意のなき海鼠を食んでをりにけり    亜紀   苑幹不
彼方より来たる冬蜂箱に入る       亜紀   由
此の家の先祖代々花八つ手        亜紀   苑り
ことごとくはづすPK鳥渡る        亜紀   千苑由幹不
十一月机の前に椅子があり        亜紀   種ぐり由
秋高し力士の小さき飯茶碗        亜紀
昭和通り平成通り文化の日        亜紀   り幹

干し柿の平たく言へば我慢して      藤幹子  千ぐ亜由不
萩抜けて猫は他人の眼なりけり      藤幹子  四千ぐ由
彼は白我はサフラン色の膝        藤幹子  ぐり
此の世ではつひに飛蝗を捕れずあり    藤幹子  千由
種茄子脳に二室のありにけり       藤幹子

やせ我慢して秋晴れをついに得よ     千代路
秋ふかくまじわり淡き他人丼       千代路
いつまでも月をほめてる彼の恋      千代路
此れはキーを叩く音なり稲雀       千代路  幹
母と寝る部屋いつぱいに虫の声      千代路  由

枯蓮やパジャマのやうな我の国      ゆかりり 種
立冬の他人を仰ぐ電気かな        ゆかりり り
立て看の寒暮のやうな彼の壜       ゆかりり
此の国の目方のやうな冬の皿       ゆかりり
横須賀の旋律といふ冬日向        ゆかりり 四
小春日のポルシェを影のゆるすかな    ゆかりり 千幹

小春日や我慢をすれば痩せられる     四童   ぐ幹
こひびとと他の一切の冬ざるる      四童
小春日や私の彼は左巻き         四童   り幹不
行く秋のむづかしさうな此処は何処    四童   種不
天高し表札のなき半蔵門         四童   種

以上。(集計:不孤)

なお、ゆかりりの参加にあたってはロボットの作者・三島ゆかり氏に題を仕込んでもらいました。
 引き続き、自己紹介その他ご歓談は、俳句モナカの方でぜひお願い致します。

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