2011年11月26日土曜日

篠田麻里子句会・作者発表

たいへんお待たせしました。今回は参加者僅少のため、急遽木枯二号も出動の事態となりました。篠さんという人にも参加してほしいですね。

雪おんな篠つく雨に傘さしぬ       ぐみ
冬籠り田の字のやうな窓ふさぎ      ぐみ      不恵
ヒマシ油の蓖麻にも無縁ビンとボー    ぐみ      四
お毛皮でお里が知れる学習院       ぐみ
ねんねこや寝ん寝が好きな子と猫と    ぐみ
寒夕焼成人映画の絵看板         ぐみ      り

丹波篠山綿虫になつかれて        由季      種りぽこ
冬の田のセンターに父置いてみる     由季      ぐ不
茶の花を咲かせ非番の麻薬犬       由季      種ぐ不四りぽこ
ハムスターの里親となる着ぶくれて    由季      亜
青木の実といへど紅くて子煩悩      由季      恵こ
秋惜しむ一番好きな掛け軸と       由季      ぽ
小春日の四十七士を点呼する       由季      種四り恵

篠笛の少年のいる月の夜         こゆ      四
はるか来て田毎の月にであひけり     こゆ
亜麻色の髪の少女の星さがす       こゆ
一里雨二里雪三里霙哉          こゆ      種四恵ぽ
霜夜かな鳴子こけしの首の鳴る      こゆ      ぐ
普段着でゆれていたって皇帝ダリア    こゆ
茶の花や今がどんどん古くなる      こゆ      亜ぽ

篠ノ井にゆっくりと風そして雪      ぽぽな     不由こ
雪催こんがり眠る秋田犬         ぽぽな     種不四由り恵
秋麗の胡麻油まわしてフライパン     ぽぽな
色里に色のなき刻小鳥くる        ぽぽな     不
まひるまの障子のようにセラピスト    ぽぽな     恵
寒暁やRh因子まで記す          ぽぽな     種四由
音かすか障子の中の核家族        ぽぽな     種亜
まだ恋をしらぬ子の頬小六月       ぽぽな
篠笛をのせる指先冬立ちぬ        ぽぽな     不亜こ

篠山の寺の生まれや玉霰         種茄子     こ
田に泥鰌野に兎追ふ半世紀        種茄子
凩や麻布十番温泉に           種茄子     り
足袋穿いて南総里見八犬伝        種茄子
子のたまはく天金の書を開くたび     種茄子     四
咳を響かせてゐる女かな         種茄子
鼻水を止める薬を三度飲む        種茄子     恵
電柱を頼る電線初時雨          種茄子     ぐ亜由こ

見返れば篠井英介狐罠          不孤      り
ひつぢ田のすずめ騒がしTPP      不孤      ぐ
しぐるるや麻布十番饅頭屋        不孤      ぐ亜四ぽ
黄落やホットスポットまで半里      不孤      種亜由ぽ
小春日や孟子は鬚をくしけづり      不孤
あの娘だれこの娘はだあれ枇杷の花    不孤

ポインセチア篠突く雨を帰りけり     亜紀
大田区の蒲田大森冬に入る        亜紀      ぐ四こ
馥郁と胡麻の香りや冬ぬくし       亜紀      四
犬の子の里親募る小春かな        亜紀      恵ぽ
本名は子の付く名前雪女         亜紀      ぐ不由り恵ぽ
初冬の変らぬ車窓見てをりぬ       亜紀
冬木立華やぐ声の通り過ぎ        亜紀      こ
要所要所繕うてをり落葉雨        亜紀      不

着膨れて篠さんという人を待つ      恵       ぐ由ぽこ
冬の田の真ん中にいて気付かれず     恵       種亜由
胡麻塩が足りない握り飯小春       恵       不亜ぽ
凍星に触れ里親になる資格        恵
鍋焼を吹いて子供の顔になる       恵       ぐぽ
マフラーが鼻を隠して古本屋       恵       ぐ由りぽ

息白き篠山紀信うごめきぬ        四童
大女ばかりで歩く冬田かな        四童      種亜由り
しぐるゝや重たきものを西麻布      四童      種
夜焚火や藷より旨い十七里        四童
賛成の反対分子冬に入る         四童      り
抱き合ふ近衛のオブジェ冬ざるゝ     四童

篠笛やひとりのやうな冬の夢       ゆかりり
島国の家族の濡らす冬田かな       ゆかりり    ぽ
おほぞらの大麻のやうな鴨の丈      ゆかりり
島国や我慢のやうな冬の里        ゆかりり
幸福のクレッシェンドの障子かな     ゆかりり    亜
おほかたの小春の影の眠りけり      ゆかりり    不由恵こ

篠笛のひかりに冬を熟るるかな      木枯二号
魂の冬田のやうな闇の濤         木枯二号
晩年の麻苧の鳰と洗ひけり        木枯二号
はらわたの手毬のやうなわれの里     木枯二号
をととひの障子と翅を濡らしけり     木枯二号
水洟や蛇屋のやうな母の恋        木枯二号    恵

以上。(集計:不孤)

なお、ゆかりり木枯二号の参加にあたってはロボットの作者・三島ゆかり氏に題を仕込んでもらいました。
 引き続き、自己紹介その他ご歓談は、俳句モナカの方でぜひお願い致します。

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