2012年1月8日日曜日

正面突破句会・投句一覧

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。

【正】
一年に一度の正座雑煮喰ふ
賀正派が謹賀新年派に押され
学校の正面玄関去年今年
人日の金正日の変はらざる
正しくは哀しみといふ空の青
正義論うたはれ尽きて去年今年
正月は泣かないでねと幼な児に
正直な形首を伸ばす白鳥
正直に茶碗に雪を受け来たる
正論を吐きて海鼠を俯瞰せり
浅草や正ちゃん帽の御老人
百態の正しき姿勢書初す

【面】
はらはらと霜夜の譜面散りにけり
若水や薄あを色の洗面器
初写真委細面談にて候
初明り小面の肌透きとおる
小面の内側にある銀河
人日の表面積に驚けり
太箸や面取りの角立つは良き
面倒なことはさておき着膨れる
面倒な飾り方して鏡餅
面倒な面子そろひて振る羽子板
面倒を念入りにする初化粧
面倒見よき人と酌む年酒かな

【突】
一本の煙突があり御元日
羽根突きや烏城の屋根は堀に落つ
賀状まゐる天使突抜てふ町へ
空気に穴白鳥は突撃せよ
捨てかねて聖樹と煙突恋の数
初泣きの児の突進す父の胸
大年を突慳貪な風が吹く
地吹雪・雪晴・恋・唐突
竹馬の突つ支ひ棒のごとくあり
着膨れの突如あらはる牛丼屋
突発性大食ひとなる七日かな
頬杖を突いて見ている花がるた

【破】
伊勢海老をぱきりぴきりと破きけり
三毛猫の突破したるよ白障子
序破急で自転車こぐや初げしき
序破急の破を過ぎて春待ちかぬる
少年の夜目に破魔矢の白さかな
浄玻璃を破って逃げた青い鳥
人日の餃子の皮の破れたり
都知事立つ破れ障子の向ふ側
日の当たる雑煮椀から破裂せり
破局して破滅してゐる七日かな
破魔矢みなどこからかはみ出してをり
破裂するまで手袋を膨らます

【当季雑詠】
キリン見にマフラーぐるぐる巻きつけて
雲の端の煌いてゐる初景色
厭世家ちよろぎのやうな家に住み
牛丼の並々ならぬ七日かな
使用済み電池溜まりて冬深む
捨て鉢の半分のこる去年今年
初鏡のなかの時計を読まんとす
初春や気ままにジャズを流す店
初笑アンディーウォーホールのマリリン
初星のぴしりぴしりと深呼吸
初売に奇つ怪なもの混じりゐて
初明り海月はきょうも夢ごこち
人日や小銭くづすといふことを
水鳥の啄ばむ水のひかりけり
大年の父が龍頭を巻いてをり
猫の尾をぐっと握って冬ざれる
付けまつ毛付け胸毛なし寝正月
炬燵猫いま頏(のど)だけは確かに居
(以上)

12句選(特選、逆選なし)
選句締切:1月12日(木)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から12句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。

ではよろしくお願い致します。

12 件のコメント:

  1. ○学校の正面玄関去年今年
    下駄箱がざっと並んでるあの寒々しい場所ね。除夜の鐘を同窓生一同で聞こうなんちゅうイベントでもあったのだろうか

    ○面倒なことはさておき着膨れる
    自分が一番面倒だったりする理不尽。

    ○面倒見よき人と酌む年酒かな
    最近こういうよろしき大人が減ったんだねぇ。自戒を込めて。

    ○一本の煙突があり御元日
    東京下町の原風景。青空のよろしさ。

    ○頬杖を突いて見ている花がるた
    麻雀でいうところの二抜けってやつだろうか。けっこう飽きるんだよねぇ、正月の遊びって。

    ○三毛猫の突破したるよ白障子
    やんちゃやね。

    ○人日の餃子の皮の破れたり
    パターンと言えばパターンだけれど、確かに人日の感じ。

    ○破裂するまで手袋を膨らます
    作者はエスパー伊東に憧れてたりするのだろうか。私は大好き。

    ○雲の端の煌いてゐる初景色
    俳句的絵空事のよろしさ。

    厭世家ちよろぎのやうな家に住み
    ○落語に出てきそうな家だ。

    初明り海月はきょうも夢ごこち
    ○冬のくらげはやけに寒そうだ。

    付けまつ毛付け胸毛なし寝正月
    ○付け胸毛、フレディマーキュリー変装用のやつかしらん。

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  2. 七草も過ぎ寒さ厳しさ増すばかり。頑張りましょう。

    ☆一年に一度の正座雑煮喰ふ
      畳の部屋のない我が家。年に一度の正座もなし。

    ☆浅草や正ちゃん帽の御老人
      初詣に浅草寺へ。横町に入ると居ます粋な人が。

    ☆若水や薄あを色の洗面器
      若水の清々しさに薄青の洗面器は相性ばっちり。

    ☆初明り小面の肌透きとおる
      白く小さな若い女性のお面が透きとおっていく。綺麗。

    ☆面倒なことはさておき着膨れる
      ちょっと待ってね。暖かくしてから聞きますよ。

    ☆面倒見よき人と酌む年酒かな
      ゆったり安心して良き酔いに身を任せて。ああ幸せ。

    ☆初泣きの児の突進す父の胸
      パパ大好きなのね。これじゃパパもメロメロですね。

    ☆大年を突慳貪な風が吹く
      ホントに突慳貪という感じの無愛想な風でした。

    ☆突発性大食ひとなる七日かな
      突発性が長引いてしまった!どうしよ!!

    ☆序破急で自転車こぐや初げしき
      リズミカルに自転車こいで初景色の中、楽しそう。

    ☆初星のびしりびしりと深呼吸
      ぴしりぴしりが凄く効いています。寒そうで透明で。

    ☆水鳥の啄む水のひかりけり
      一枚の写真のよう。鮮やかに目に浮かぶ光景。

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  3. ○初写真委細面談にて候
    履歴書用の写真でしょうか。

    ○初泣きの児の突進す父の胸
    突進で情景が立ち上がりました。

    ○賀正派が謹賀新年派に押され
    謹賀新年強しですね。

    ○はらはらと霜夜の譜面散りにけり
    どんな曲の譜面かいろいろと想像をめぐらせました。

    ○面倒なことはさておき着膨れる
    ついついそうなってしまいます。

    ○一本の煙突があり御元日
    一本が効いています。

    ○伊勢海老をぱきりぴきりと破きけり
    解体の音です、美味です。

    ○少年の夜目に破魔矢の白さかな
    白さと少年が響きあいます。

    ○破局して破滅してゐる七日かな
    新年早々お察しいたします。

    ○牛丼の並々ならぬ七日かな
    並々ならぬほど恋しき牛丼。

    ○初星のぴしりぴしりと深呼吸
    そうか、あの音は星が深呼吸していたのですね。

    ○大年の父が龍頭を巻いてをり
    このアナログ感が良いですね。

    句座の皆様、あけましておめでとうございます。
    本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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  4. ●浅草や正ちゃん帽の御老人
     大正の漫画「正ちゃんの冒険」からの流行だそうですね。

    ●面倒な飾り方して鏡餅
    それを伝えるのが文化ちゅうもんでしょう。

    ●面倒を念入りにする初化粧
    本当にお化粧って面倒臭いもの。すっぴん大好き。

    ●大年を突慳貪な風が吹く
    つっけんどんってこう書くのですね。

    ●竹馬の突つ支ひ棒のごとくあり
    たけうまの感触を思い出しました。わたし、乗れます。

    ●突発性大食ひとなる七日かな
    今年こそ減量をとの誓いがそもそもの間違い。

    ●少年の夜目に破魔矢の白さかな
    寺山修司少年を思ってしまいました。

    ●人日の餃子の皮の破れたり
    日常のペースに戻った様子がうまく表されています。

    ●使用済み電池溜まりて冬深む
    視点にユニークさがあり、しんとした寒さが感じられます。

    ●初鏡のなかの時計を読まんとす
    華やかさの中に約束の時間を気にする高ぶりが伝わって来ます。

    ●人日や小銭くづすといふことを
    正月気分にけじめをつけて、又多忙な日々に戻るきっかけでしょうか。
    万札をくづすので、小銭にという「に」が隠れているのでしょう。

    ●大年の父が龍頭を巻いてをり
    黙々と愛用の時計を手にしている父の背中。佳句ですね。

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  5. ○学校の正面玄関去年今年
    生徒のいない正門の向こうの玄関の中は、年越しにも無関係で冷えている。この去年今年、いいな。

    ○初写真委細面談にて候
    うーむ無職で年越しでしたか。良い年になりますように。

    ○面倒なことはさておき着膨れる
    そうそう着膨れて、お餅でも焼いて。

    ○初泣きの児の突進す父の胸
    子供が幼い時代の幸せなとき。お父さん、しっかり味わって下さい。

    ○竹馬の突つ支ひ棒のごとくあり
    昔は裏庭の物置小屋の前とかに無造作に置かれてたもんです。

    ○頬杖を突いて見ている花がるた
    お正月の無聊感、ですね。

    ○伊勢海老をぱきりぴきりと破きけり
    「ぱきりぴきり」に実感。「破く」もそんな感じです。

    ○少年の夜目に破魔矢の白さかな
    少年と破魔矢の字面とが呼び合います。

    ○牛丼の並々ならぬ七日かな
    牛丼ごときが「並々ならぬ」の大袈裟が俳味ですね。

    ○初春や気ままにジャズを流す店
    茶色のレトロな喫茶店に初老のマスター、てな感じでしょうか。馴染み客も初老ね。

    ○初星のぴしりぴしりと深呼吸
    元日の夜。「と」で軽く切れて、冷たい空気を胸一杯に。

    ○大年の父が龍頭を巻いてをり
    古い時計を大切に使ってらっしゃる。その「龍」頭、これは座布団壱枚。

    あけましておめでとうございます。
    宜しくお願い申し上げます。

    返信削除
  6. ○学校の正面玄関去年今年
    学校は時の流れをとても感じやすい場所。去年今年が効いています。それにしてもそんな時間に学校の正面玄関っていったい何をしているんでしょうか。気になります。

    ○正しくは哀しみといふ空の青
    そうだったのですね。なにか切ない感じがします。

    ○はらはらと霜夜の譜面散りにけり
    霜夜の譜面てどんな曲が書かれているんでしょう。

    ○若水や薄あを色の洗面器
    ちゃぷんという音が聞こえそうです。

    ○初写真委細面談にて候
    就職活動中ですか、というか失業中?初写真が証明写真てのも切ないがありそう。

    ○大年を突慳貪な風が吹く
    なんだか自分だけ取り残されているような感じがします。

    ○頬杖を突いて見ている花がるた
    退屈なんだけど参加するのも気が進まないという感じでしょうか。アンニュイ。

    ○三毛猫の突破したるよ白障子
    突破という大袈裟な表現。いつかやったるでーっ!と三毛猫も目論んでいたのでしょう。

    ○少年の夜目に破魔矢の白さかな
    何か妖しげな破魔矢のようにも思われます。

    ○日の当たる雑煮椀から破裂せり
    なにかとてもスプラッター的な。。。

    ○破魔矢みなどこからかはみ出してをり
    なるほど。どうやってもはみ出しますね。鈴の音の方を見れば破魔矢の先っちょが。

    ○牛丼の並々ならぬ七日かな
    何度読んでもいいです。頭韻もリズムも並々ならない牛丼も。

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  7. 明けましておめでとうございます。

    ○一年に一度の正座雑煮喰ふ
    心あらたまる気分。

    ○面倒見よき人と酌む年酒かな
    どんどん勧められていい気分。

    ○一本の煙突があり御元日
    どんな景色にも元日はやってきますね。

    ○初泣きの児の突進す父の胸
    父は微笑んで、初笑いでしょうか。

    ○序破急で自転車こぐや初げしき
    「序破急で自転車こぐ」が抜群。

    ○人日の餃子の皮の破れたり
    七日にもなると節料理意外を食べたくなりますよね。

    ○破魔矢みなどこからかはみ出してをり
    げにげに。

    ○雲の端の煌いてゐる初景色
    美しい。

    ○牛丼の並々ならぬ七日かな
    「餃子」しかり「牛丼」しかりやはり七日。堰を切ったように。

    ○使用済み電池溜まりて冬深む
    溜まります。

    ○初鏡のなかの時計を読まんとす
    時計が映ると読もうとしてしまいますね。それが初鏡だとしても。そしてとっても難しい。

    ○水鳥の啄ばむ水のひかりけり
    冬の光。

    本年もどうぞよろしくお願いします。

    返信削除
  8. 明けましておめでとうございます。

    ○浅草や正ちゃん帽の御老人
     浅草ですねえ。かわいくてかっこいい。

    ○百態の正しき姿勢書初す
     大きな体育館なんかで、一斉にやる姿を思いました。壮観です。

    ○面倒なことはさておき着膨れる
     こう寒くっちゃあ戦もできねえ、という感じ。

    ○一本の煙突があり御元日
     シンプルで好きです。

    ○初泣きの児の突進す父の胸
     突進がいいですね。二歳くらいの子かな。

    ○突発性大食ひとなる七日かな
     いろいろ残ったものも食べないとですし、餅もカビるし、あ、七草粥も食べなくちゃ、だからしょうがないの!

    ○序破急で自転車こぐや初げしき
     段階的にスピードが上がる感じがいい。時間を感じる。

    ○少年の夜目に破魔矢の白さかな 
     その少年の原風景になりそうな。初詣の帰りかな。

    ○牛丼の並々ならぬ七日かな
     言葉も面白いですし、ハレからケへ移行する祝祭のようでもあり、いいです。

    ○初星のぴしりぴしりと深呼吸
     寒さ感じます。冬の夜空を一人で見たい。

    ○水鳥の啄ばむ水のひかりけり
     息をひそめてずっと眺めていたい光景。

    ○大年の父が龍頭を巻いてをり
     新しい年に向けて、お気に入りの腕時計の秒針を合わせる。干支と合わせて見事な句。

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  9. ○一年に一度の正座雑煮喰ふ
    家族揃って正座して、と決めているのですね。

    ○学校の正面玄関去年今年
    たまたま初詣などで通りかかったのかもしれませんが、ぴったりですね。

    ○百態の正しき姿勢書初す
    正しいといってもいろいろですね。なるほどと思いました。

    ○人日の表面積に驚けり
    なんの表面積かわかりませんが、人日の気分にあっているようです。

    ○面倒なことはさておき着膨れる
    寒いとお洒落も手抜きに。

    ○面倒な面子そろひて振る羽子板
    ローカルルールとかいっぱいあるんでしょうか。

    ○初泣きの児の突進す父の胸
    父のほうが甘えさせてくれそう。

    ○突発性大食ひとなる七日かな
    お節料理もスルーして何故・・。

    ○序破急で自転車こぐや初げしき
    序破急の句は他にもありましたが、自転車と初景色に納得。

    ○破局して破滅してゐる七日かな
    年末年始はいろいろありがちです。

    ○牛丼の並々ならぬ七日かな
    並々ならぬとは可笑しいです。

    ○使用済み電池溜まりて冬深む
    きちんと処理しなければと思っていると溜まっていってしまいます。

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  10. ○面倒なことはさておき着膨れる
     だって、寒いんだもの。

    ○面倒な飾り方して鏡餅
     よほど立派な鏡餅なのでしょうね。スーパーで買うプラスチックカヴァーを被った鏡餅は、ごく、ごく、簡単です。

    ○面倒を念入りにする初化粧
     いつもスッピンの私からは、そういう気持ちになれることが、むしろ羨ましい(笑

    ○竹馬の突つ支ひ棒のごとくあり
     あまりお上手でない??

    ○頬杖を突いて見ている花がるた
     まだルールが覚えられないお子さんかしら。

    ○序破急で自転車こぐや初げしき
     こんなふうに楽しんで、「初」自転車。

    ○人日の餃子の皮の破れたり
     具の入れ過ぎです。人日まで我慢した餃子、だから?

    ○破魔矢みなどこからかはみ出してをり
     普段だったら、紙袋からフランスパンがはみ出しているんだけれど、ね。

    ○キリン見にマフラーぐるぐる巻きつけて
     巻きつけることで首が伸びるような、不思議な読後感。

    ○雲の端の煌いてゐる初景色
     瑞雲ですね。明けましておめでとう!

    ○初鏡のなかの時計を読まんとす
     焦っているのは分るけど、読み間違え得て安心してたら大変よ。

    ○大年の父が龍頭を巻いてをり
     父とありますが、祖父でもいいいかな、と、その生真面目なお顔を想像しました。

    ★新年おめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。

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  11. 今年もよろしくお願いいたします。

    ○賀正派が謹賀新年派に押され
    私も今年は謹賀新年派でした。

    ○人日の表面積に驚けり
    なにやら判然しないけれどもつられて驚いちゃうような、妙な力が。

    ○面倒なことはさておき着膨れる
    冬のぞろりとした怠惰な気分がユニーク。

    ○一本の煙突があり御元日
    シンプルで好きです。

    ○初泣きの児の突進す父の胸
    突進だと「父」の胸ですね。

    ○破局して破滅してゐる七日かな
    デカダンが突き抜けて明るく可笑しい。

    ○破魔矢みなどこからかはみ出してをり
    買い物袋の葱みたいな扱いが面白い。

    ○キリン見にマフラーぐるぐる巻きつけて
    あどけなさがいいですね。初動物園。

    ○使用済み電池溜まりて冬深む
    しんしんと堆積する感じが冬の情感そのもの。きれいです。

    ○初鏡のなかの時計を読まんとす
    臨場感があります。「読まんとす」で読みおえてないところに焦りというか、楽しげなそぞろ気を感じます。

    ○初星のぴしりぴしりと深呼吸
    恒星のつめたい光なら、そういう硬い音がしそうです。

    ○人日や小銭くづすといふことを
    日常へお帰りなさいという感じでほっとしました。

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  12. 遅くなり申し訳ありません。

    ○一年に一度の正座雑煮喰ふ
     帰省すると畳なのでしょう。

    ○賀正派が謹賀新年派に押され
     別に派閥をなしている訳ではないのでしょうが…。

    ○正論を吐きて海鼠を俯瞰せり
     ああ、なんだかいい、この「正論」「海鼠」「俯瞰」。

    ○百態の正しき姿勢書初す
     すがすがしいです。

    ○初写真委細面談にて候
     正月早々ご苦労様です。

    ○面倒なことはさておき着膨れる
     このスピード感、すてきです。

    ○面倒を念入りにする初化粧
     でもって、正月早々遅刻するのです。

    ○竹馬の突つ支ひ棒のごとくあり
     あれは長いから斜めにしないと収まらないのです。

    ○人日の餃子の皮の破れたり
     人日っぽいです。

    ○都知事立つ破れ障子の向ふ側
     『太陽の季節』ですね。もう立たないでしょう。

    ○破魔矢みなどこからかはみ出してをり
     まさにその通り。

    ○大年の父が龍頭を巻いてをり
     実直な人物像がせり上がります。

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