2012年1月25日水曜日

酒屋八兵衛句会・作者発表

早々の選句ありがとうございます。発表です。

酒粕の舌に残れる霜夜かな        苑を  朝百恵幹ぽ由
屋上のお稲荷さんに雪積もる       苑を  ぐ朝亜四百ぽ由空
木枯や八百八町はバス停に        苑を
大阪とちやうで兵庫やあまがさき     苑を  亜不
冬怒涛衛生的と思ふなよ         苑を

冬夕焼酒まんぢゆうを抱き帰る      百花
冬銀河屋根のアンテナ倒れしまま     百花
買初の癒しの石や八犬伝         百花  不
雑兵に水一升や干菜汁          百花
初夢に衛夫人(えいふじん)から書を学び 百花  由
もうすでに春雪踏みに出てゐる夫     百花

気鬱なり酒井家よりの寒見舞       ぐみ
大不幸屋台のおでんの味知らず      ぐみ  不
一気呵成書き初めの字は大八州      ぐみ
兵児帯やどてらの下でしごかれて     ぐみ
大くさめ待たれる不動の近衛兵      ぐみ
めすの猫白ショール肩に成長す      ぐみ

酒蔵の小窓は春に近づけり        空猫  亜不恵
大火事の八百屋お七に向く窓は      空猫
八十も見事に雪を下ろしけり       空猫
羽子日和兵も遊んで参りけり       空猫
凧揚げやラジヲ流れる守衛室       空猫
お揃いのマフラーされる親衛隊      空猫

きさらぎやきらきら洋酒瓶並び      朝比古 恵
屋上が冬青空に沈殿す          朝比古 恵ぽ由
十八歳未満断り雪女           朝比古 ぐ百恵
衛兵の固まつてゐる四温かな       朝比古 幹
雪の夜の衛星都市へ帰りけり       朝比古 ぐ四百幹
きりきりと水門開く寒の晴        朝比古 恵苑ぽ

卵酒幕開く火星年代記          藤幹子 恵
侘助や屋根屋するする梯子立て      藤幹子 ぽ
テレビだけ笑ふ真昼や花八手       藤幹子 ぐ亜四不百苑ぽ由空
検尿や小春日和の敗残兵         藤幹子
凍星や衛生陶器しんと並ぶ        藤幹子 朝四不百恵苑由
カラメルの香のふくふくと冬館      藤幹子 朝空

寒月の細くもがなの酒びたり       不孤
探梅や樋屋奇應丸四百年         不孤  四空
枡箱に柚子餅八個かしこまる       不孤  亜ぽ
兵站のとどこほりなき雪合戦       不孤  ぐ四百
衛星に監視されたる大くさめ       不孤  朝百
田んぼから手作り八兵衛燗のよき     不孤  四

清酒汲む胸に氷湖を持ちしまま      ぽぽな 不幹空
名古屋帯むすび華やぐ冬座敷       ぽぽな 亜空
一本の氷柱が落ちて八本に        ぽぽな ぐ百幹空
兵士から兵士にわたす冬林檎       ぽぽな ぐ朝亜苑幹空
前衛の芯にふくろう棲んでいる      ぽぽな 四

朧夜の鉄橋越ゆる酒匂川         亜紀  ぽ
待春の広場にランチ屋台かな       亜紀  苑
四代目江戸家猫八春立ちぬ        亜紀  由
兵庫県地図をひらけば山笑ふ       亜紀
鉄塔の遮ることのなき雪野        亜紀
訥々とつなぐ言の葉日脚伸ぶ       亜紀
枯野行く徹底的に行きにけり       亜紀  ぐ由

酒粕の匂ひの満ちて冬山家        由季
大根干す使はぬ屋号そのままに      由季  ぐ亜
福神の眉の八の字冬ざくら        由季  亜四
山眠る兵馬俑みな違ふ顔         由季  亜恵苑空
凍蝶を翔たせ衛兵交替す         由季  ぐ恵
悴みて財布のなかの銭蛙         由季  亜百恵幹

春近し半分に割る酒饅頭         恵   四苑ぽ由
冬晴れの神様を売る屋台かな       恵   朝四苑幹ぽ由
なまはげへ尺八振り回している      恵   朝四不苑
木製の兵隊人形春を待つ         恵   ぽ
くしゃみして人工衛星どこいった     恵   空
ハイネックセーター苦しくてひとり    恵   ぐ朝百苑幹空

対流の一例として燗の酒         四童  ぐ朝不百恵
入母屋に雪の届かぬ壁ありて       四童  不幹空
風花や二頭身対八頭身          四童
憲兵がスケート靴でやつて来る      四童  朝不苑幹由
着膨れの衛生班に連れ去らる       四童
午後からはくづれ模様の海鼠かな     四童  亜不幹由
日差やや低きところを冬の蝶       四童  朝苑ぽ

以上。集計:不孤

ご歓談は、俳句モナカの方でぜひお願い致します。

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