2012年1月22日日曜日

【一句訂正】酒屋八兵衛句会・投句一覧

大変申し訳ありません。一句訂正です。

【酒】の後ろから3句目、

×:夕焼酒まんぢゆうを抱き帰る

○:冬夕焼酒まんぢゆうを抱き帰る
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お待たせしました。

【酒】
きさらぎやきらきら洋酒瓶並び
寒月の細くもがなの酒びたり
気鬱なり酒井家よりの寒見舞
酒蔵の小窓は春に近づけり
酒粕の舌に残れる霜夜かな
酒粕の匂ひの満ちて冬山家
春近し半分に割る酒饅頭
清酒汲む胸に氷湖を持ちしまま
対流の一例として燗の酒
冬夕焼酒まんぢゆうを抱き帰る
卵酒幕開く火星年代記
朧夜の鉄橋越ゆる酒匂川

【屋】
屋上が冬青空に沈殿す
屋上のお稲荷さんに雪積もる 
待春の広場にランチ屋台かな
大火事の八百屋お七に向く窓は
大根干す使はぬ屋号そのままに
大不幸屋台のおでんの味知らず
探梅や樋屋奇應丸四百年
冬銀河屋根のアンテナ倒れしまま
冬晴れの神様を売る屋台かな
入母屋に雪の届かぬ壁ありて
名古屋帯むすび華やぐ冬座敷
侘助や屋根屋するする梯子立て

【八】
テレビだけ笑ふ真昼や花八手
なまはげへ尺八振り回している
一気呵成書き初めの字は大八州
一本の氷柱が落ちて八本に
四代目江戸家猫八春立ちぬ
十八歳未満断り雪女
買初の癒しの石や八犬伝
八十も見事に雪を下ろしけり
風花や二頭身対八頭身
福神の眉の八の字冬ざくら
木枯や八百八町はバス停に
枡箱に柚子餅八個かしこまる

【兵】
羽子日和兵も遊んで参りけり
衛兵の固まつてゐる四温かな
憲兵がスケート靴でやつて来る
検尿や小春日和の敗残兵
雑兵に水一升や干菜汁
山眠る兵馬俑みな違ふ顔
大阪とちやうで兵庫やあまがさき
兵庫県地図をひらけば山笑ふ
兵士から兵士にわたす冬林檎
兵児帯やどてらの下でしごかれて
兵站のとどこほりなき雪合戦
木製の兵隊人形春を待つ

【衛】
くしゃみして人工衛星どこいった
衛星に監視されたる大くさめ
初夢に衛夫人(えいふじん)から書を学び
雪の夜の衛星都市へ帰りけり
前衛の芯にふくろう棲んでいる
大くさめ待たれる不動の近衛兵
凧揚げやラジヲ流れる守衛室
着膨れの衛生班に連れ去らる
冬怒涛衛生的と思ふなよ
凍星や衛生陶器しんと並ぶ
凍蝶を翔たせ衛兵交替す

【当季雑詠】
お揃いのマフラーされる親衛隊
カラメルの香のふくふくと冬館
きりきりと水門開く寒の晴
ハイネックセーター苦しくてひとり
めすの猫白ショール肩に成長す
もうすでに春雪踏みに出てゐる夫
枯野行く徹底的に行きにけり
午後からはくづれ模様の海鼠かな
鉄塔の遮ることのなき雪野
田んぼから手作り八兵衛燗のよき
日差やや低きところを冬の蝶
悴みて財布のなかの銭蛙
訥々とつなぐ言の葉日脚伸ぶ

(以上)

12句選(特選、逆選なし)
選句締切:1月25日(水)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から12句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。なお、右側の「最近のコメント」という欄は反映するのに時間がかかるようです。

ではよろしくお願い致します。

13 件のコメント:

  1. ●対流の一例として燗の酒
    滔々と学のあるところを披露しているお父さん。

    ●屋上のお稲荷さんに雪積もる
    近代風ビルによくある日本の風景、日本人は無宗教なんてとんでもない。 

    ●大根干す使はぬ屋号そのままに
    婚家にすっかり馴染んだお嫁さんの心をよぎる感傷でしょうか。

    ●テレビだけ笑ふ真昼や花八手
    有る、ある、この風景。季語がぴったり。

    ●一本の氷柱が落ちて八本に
    特選が設けられていれば、これ。好みの句です。

    ●十八歳未満断り雪女
    雪女っていつもの手という感じだけど、やっぱり巧い。

    ●兵士から兵士にわたす冬林檎
    林檎は詩になる不思議。冬トマトではこうはいかない。

    ●兵站のとどこほりなき雪合戦
    腹は減っては、というわけ。

    ●雪の夜の衛星都市へ帰りけり
    衛星を変換ミスで衛生としたら、随分真白で。

    ●凍蝶を翔たせ衛兵交替す
    バッキンガムの蝶、金と碧の斑でそれが凍えて。衛兵は勿論赤と黒。

    ●ハイネックセーター苦しくてひとり
    窒息しそうな片恋。絶対ごく若い人。高齢者の孤独死に非ず。

    ●枯野行く徹底的に行きにけり
    中途半端だったら枯野を巡るばかりということかしら。

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  2. ○酒粕の舌に残れる霜夜かな
    石狩鍋だろうか。とにかく寒い夜には鍋料理。

    ○対流の一例として燗の酒
    体内を対流する燗酒。くーっと染みるね。

    ○屋上のお稲荷さんに雪積もる
    こういうビル、ありますなぁ。オーナーの心根が好もしい。
     
    ○冬晴れの神様を売る屋台かな
    何神様だろう。

    ○なまはげへ尺八振り回している
    ナンセンスでシュールな実景って面白い。

    ○憲兵がスケート靴でやつて来る
    こんなこともあるかも。

    ○兵士から兵士にわたす冬林檎
    戦場ではないことを祈る。

    ○衛星に監視されたる大くさめ
    いやな世の中になったものだねぇ。ポケットベルの頃に戻らないかな。

    ○凍星や衛生陶器しんと並ぶ
    ラベルはTOTOかINAXかLIXILか。伊那製陶だと尚よろしき風情。

    ○カラメルの香のふくふくと冬館
    芳ばしい甘い香り。美味しそう。

    ○ハイネックセーター苦しくてひとり
    とっくりだと楽だよ。

    ○日差やや低きところを冬の蝶
    冬だから日差しは低いんだけど、冬の蝶だとなおさら。

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  3. 亜紀選

    ○酒蔵の小窓は春に近づけり
    小窓の着眼点に一票。

    ○屋上のお稲荷さんに雪積もる 
    あるあるの景ですね。

    ○大根干す使はぬ屋号そのままに
    古くからある土地の景。

    ○名古屋帯むすび華やぐ冬座敷
    にぎやかで華やかで。

    ○テレビだけ笑ふ真昼や花八手
    日中のしんとした景。

    ○福神の眉の八の字冬ざくら
    八の字眉はそれだけで癒されます。

    ○枡箱に柚子餅八個かしこまる
    下五がいいですね、柚子の香りもほのかに。

    ○山眠る兵馬俑みな違ふ顔
    兵馬俑をもってこられた手柄。

    ○大阪とちやうで兵庫やあまがさき
    関西弁がきいています。

    ○兵士から兵士にわたす冬林檎
    冬林檎の赤色が鮮やかです。

    ○午後からはくづれ模様の海鼠かな
    海鼠の在り様も崩れ気味?

    ○悴みて財布のなかの銭蛙
    銭蛙の量感質感に季語が響き合います。

    以上、いただきました。

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  4. ○春近し半分に割る酒饅頭
     睦まじくてよいです。「春近し」がいいですね。

    ○屋上のお稲荷さんに雪積もる
     屋上のお稲荷さんも鳥居が延々と続いているのでしょうか。「雪積もる」が絶妙に現代を感じさせるのはなぜでしょう。

    ○探梅や樋屋奇應丸四百年
     樋屋奇應丸とはまた変なものを(しかも旧字だし)。ぐるぐるに防寒対策を施して赤ちゃんを探梅に同行させたのですね。

    ○冬晴れの神様を売る屋台かな
     銀貨三十枚で売っているのでしょうか。

    ○テレビだけ笑ふ真昼や花八手
     広告収入が激減して制作費を大幅に削減しているとはいえ、ほんとうに近頃のテレビは全然面白くありません。

    ○なまはげへ尺八振り回している
     この破調などたばた感、よいです。「に」ではなく、より漠然とした「へ」であることも、めくら滅法な雰囲気を正確に捉えています。

    ○福神の眉の八の字冬ざくら
     菊池桃子のような福神なのでしょう。「冬ざくら」がなんだかはかなくてよいです。

    ○兵站のとどこほりなき雪合戦
     いったい何日間雪合戦をやっているのだ!

    ○雪の夜の衛星都市へ帰りけり
     そういえば社会科でそんな言葉を習ったような。「雪の夜の衛星都市」、なんともいえぬ哀愁があります。

    ○前衛の芯にふくろう棲んでいる
     「前衛」の残党のような思いを感じます。

    ○凍星や衛生陶器しんと並ぶ
     「しんと並ぶ」のちょっとした字余りと着地がじつによいです。

    ○田んぼから手作り八兵衛燗のよき
     わはははは。元坂酒造さんに乾杯!

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  5. ○酒蔵の小窓は春に近づけり
    高い小窓から射し来るひかりに「春近し」を感じる。主述の措辞がよいです。

    ○清酒汲む胸に氷湖を持ちしまま
    酒をもってしても解けそうにないですね。

    ○対流の一例として燗の酒
    うむうむ、これならわかりやすい。

    ○大不幸屋台のおでんの味知らず
    私も大不幸です。

    ○入母屋に雪の届かぬ壁ありて
    目が行き届いていますね。

    ○テレビだけ笑ふ真昼や花八手
    特養ホームのような…。

    ○なまはげへ尺八振り回している
    なまはげ対虚無僧? この尺八は強そうだ。

    ○買初の癒しの石や八犬伝
    仁義礼智忠信孝悌が一文字ずつ。胡散臭いけど買初なら「ま、いっか」。

    ○憲兵がスケート靴でやつて来る
    北支か。甘粕なら似合うかも。

    ○大阪とちやうで兵庫やあまがさき
    あそこらへん微妙ですよね。

    ○凍星や衛生陶器しんと並ぶ
    雪原に白い便器やらが並んでいる景、シュールで寒い。

    ○午後からはくづれ模様の海鼠かな
    空のぐずぐずと海鼠のぐずぐずの相乗効果。巧い!

    返信削除
  6. ○酒粕の舌に残れる霜夜かな
    ひとり、両手につつんだ紙コップの甘酒に温まりながら。そぞろ歩き。

    ○対流の一例として燗の酒
    一例が効いています。で、二例、三例といく? やっぱり。

    ○屋上のお稲荷さんに雪積もる 
    ずっとこんな景が続いて欲しい日本です。

    ○テレビだけ笑ふ真昼や花八手
    テレビの空しさか、現実の怖さか。

    ○一本の氷柱が落ちて八本に
    七が題だったら、七本なの?? 変化自在の氷柱。

    ○十八歳未満断り雪女
    自己申告かしらん。

    ○兵站のとどこほりなき雪合戦
    あまりにも心理的に似た景のあった過去。おかしいけれど、笑えない。

    ○衛星に監視されたる大くさめ
    小さければ見逃してくれるだろうか。これも現実感があってコワイ。

    ○雪の夜の衛星都市へ帰りけり
    とてもロマンチックなのは、雪の夜だからでしょうね。

    ○凍星や衛生陶器しんと並ぶ
    室内とも、室外とも。室外ならそろそろ雪になりそう。

    ○ハイネックセーター苦しくてひとり
    ハイネックセーターのせいにする、ひとりの苦しさ。

    ○悴みて財布のなかの銭蛙
    なんだか邪魔なのよね、銭蛙さんって。などと思っているのでお金が貯まらないのかな。

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  7. 皆様へ
    掲示板・俳句もなかに号外が出ています。是非御一覧を。

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  8. ○きさらぎやきらきら洋酒瓶並び
    「き」と「ら」の繰返しできらきら感が倍増。この洋酒瓶はクリスタルなのでありましょう。

    ○酒蔵の小窓は春に近づけり
    なんだか文句なく気持ちがいい。

    ○酒粕の舌に残れる霜夜かな
    霜夜のざらざら感と舌に残る酒粕の違和感というか、そんなものが呼応している。

    ○対流の一例として燗の酒
    ものすごく解りやすい一例。科学は生活の中にあるのです。

    ○卵酒幕開く火星年代記
    どこからが本当でどこからが嘘なのかわからないような。卵酒効果。

    ○屋上が冬青空に沈殿す
    青空に沈殿とは思い切ったことを。空が深い感じがいいです。

    ○十八歳未満断り雪女
    律儀すぎる。

    ○山眠る兵馬俑みな違ふ顔
    そうそう、皆違う顔をしているんですよね。兵馬俑好きとしては見落とせない。

    ○凍星や衛生陶器しんと並ぶ
    衛生陶器は冬によく似合う。

    ○凍蝶を翔たせ衛兵交替す
    不思議な感じの光景。交替するまで凍蝶へ話し掛けていたかのよう。

    ○きりきりと水門開く寒の晴
    きりきりとがいい。寒さ倍増。

    ○悴みて財布のなかの銭蛙
    なんだか銭の帰ってこなさそうな財布…銭蛙も寒々しいのです。

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  9. ○春近し半分に割る酒饅頭
    まだ温かいのを、ふわっとね。

    ○待春の広場にランチ屋台かな
    昼休みが近づくと現われる。屋台っていっても、車だったり。すぐ行列ができて賑やかになる。

    ○冬晴れの神様を売る屋台かな
    観音様とか、大仏とかね。「冬晴れ」がいいです。

    ○テレビだけ笑ふ真昼や花八手
    「花八手」の愛想のなさがいいです。

    ○なまはげへ尺八振り回している
    お題あっての句。小さな子を想像。秋田出身の母は押し入れで泣いたりしていたそうです。

    ○憲兵がスケート靴でやつて来る
    北欧とかかな。小学生の頃に読んだお話のような。

    ○山眠る兵馬俑みな違ふ顔
    山も兵馬俑も静か。

    ○兵士から兵士にわたす冬林檎
    世界のあちこちにある場面だと思う。

    ○凍星や衛生陶器しんと並ぶ
    はい「しんと」ですね。

    ○ハイネックセーター苦しくてひとり
    伸びるハイネックにしなさい。

    ○きりきりと水門開く寒の晴
    K音の冷たさとかキッパリ感が清しくて好きです。

    ○日差やや低きところを冬の蝶
    冬の日の光景として、シャッターチャンスでは。

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  10. ○酒粕の舌に残れる霜夜かな
     ただ今まさに。酒粕の甘酒です。すすりすすり寒い夜です。

    ○清酒汲む胸に氷湖を持ちしまま
     どきりとしますね。過去になにが。

    ○冬晴れの神様を売る屋台かな
     何様でありましょう。

    ○入母屋に雪の届かぬ壁ありて
     俳句らしい把握かなと。ひとところだけ着雪がない、ああ、と一瞬合点する、何気ない時。

    ○一本の氷柱が落ちて八本に
     思い切って八本の多さがいいです。しかし十本こえると粉々になる。絶妙な量。

    ○衛兵の固まつてゐる四温かな
     四温なら、ほどけて欲しいものですが、それでも固まっているところにおかしみ。

    ○憲兵がスケート靴でやつて来る
     氷湖のほとりに住んでいるのかしらん。つういつういと憲兵さんがやってくるなら面白い。

    ○兵士から兵士にわたす冬林檎
     ひとときの休息。りんごが鮮やか。

    ○雪の夜の衛星都市へ帰りけり
     近未来のおとぎ話にも思える。雪は装置だな。

    ○ハイネックセーター苦しくてひとり
     あります。人に訴えることもかなわない、もやもやした苦しさ。

    ○午後からはくづれ模様の海鼠かな
     海鼠も天気もぐんにゃり。

    ○悴みて財布のなかの銭蛙
     おぼつかない手の中で、銭蛙の小ささ重さが頼もしい。

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  11. ○酒粕の舌に残れる霜夜かな
    寒い夜に粕煮は効きます。いい雰囲気です。

    ○春近し半分に割る酒饅頭
    小さい幸せが春待ちの心とつながりますね。

    ○朧夜の鉄橋越ゆる酒匂川
    「酒匂川」は味わいのある名前ですね。

    ○屋上が冬青空に沈殿す
    深く高い空。

    ○屋上のお稲荷さんに雪積もる
    ありますね。日本を感じます。

    ○冬晴れの神様を売る屋台かな
    神様は商売も助けます。

    ○侘助や屋根屋するする梯子立て
    職人の卒の無さ、かっこよさ。

    ○テレビだけ笑ふ真昼や花八手
    現代を切り取る鋭い視線。こういう現代美術のインスタレーションを見たことがある気がします。

    ○枡箱に柚子餅八個かしこまる
    柚子餅はかしこまりますね。上手いし旨そう。

    ○木製の兵隊人形春を待つ
    「木製の兵隊人形」がよかった。

    ○きりきりと水門開く寒の晴
    「きりきり」に寒晴れの感じが出ています。

    ○日差やや低きところを冬の蝶
    この空気感いいですね。

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  12. ○酒粕の舌に残れる霜夜かな
    霜夜にリアリティがありました。

    ○春近し半分に割る酒饅頭
    ほのぼのとしています。酒饅頭の酒がほんのり。

    ○屋上が冬青空に沈殿す
    沈殿という捉え方は魅力的でした。

    ○屋上のお稲荷さんに雪積もる 
    なんだか童話のようで可愛らしいです。

    ○冬晴れの神様を売る屋台かな
    いかがわしいような有難いような。

    ○テレビだけ笑ふ真昼や花八手
    がらんとした感じが花八手とあっています。

    ○四代目江戸家猫八春立ちぬ
    固有名詞の勢いでいただきました。

    ○憲兵がスケート靴でやつて来る
    どこの国のことでしょう。物語性があります。

    ○初夢に衛夫人(えいふじん)から書を学び
    格調高い初夢です。

    ○凍星や衛生陶器しんと並ぶ
    衛生陶器という表現を用いたところが上手いと思います。

    ○枯野行く徹底的に行きにけり
    確かに。徹底的に行くとは言えそうで言えないです。

    ○午後からはくづれ模様の海鼠かな
    の、で切れてもいいのですがくづれ模様の海鼠というのが魅力的でした。

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  13. 空猫選

    清酒汲む胸に氷湖を持ちしまま
     冷たき体にじんわりと酒が行き届きます。

    屋上のお稲荷さんに雪積もる
     今年は大雪でたいへんです。

    探梅や樋屋奇應丸四百年
     始めて聞きました。宇治救命丸を飲用しておりました。

    入母屋に雪の届かぬ壁ありて
     滑らかな壁ですね。

    名古屋帯むすび華やぐ冬座敷
     華やかな旧家に残る骨董品

    テレビだけ笑ふ真昼や花八手
     昼のテレビは睡魔に誘います。

    一本の氷柱が落ちて八本に
     きれいな実景。

    山眠る兵馬俑みな違ふ顔
     確かに違います。

    兵士から兵士にわたす冬林檎
     友情は堅し。

    くしゃみして人工衛星どこいった
     大気圏に突入して燃え尽きました。

    カラメルの香のふくふくと冬館
     その中でのんびりと読書したいものです。

    ハイネックセーター苦しくてひとり
     なんとなく分かります。

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