2012年1月14日土曜日

正面突破句会・作者発表

新年早々、遅くなり申し訳ありません。

正月は泣かないでねと幼な児に      ぐみ
若水や薄あを色の洗面器         ぐみ  こ恵
捨てかねて聖樹と煙突恋の数       ぐみ
都知事立つ破れ障子の向ふ側       ぐみ  四
キリン見にマフラーぐるぐる巻きつけて  ぐみ  百千
付けまつ毛付け胸毛なし寝正月      ぐみ  朝
捨て鉢の半分のこる去年今年       ぐみ
百態の正しき姿勢書初す         朝比古 藤由四
はらはらと霜夜の譜面散りにけり     朝比古 亜恵
竹馬の突つ支ひ棒のごとくあり      朝比古 ぐ苑百四
破魔矢みなどこからかはみ出してをり   朝比古 恵ぽ百千四
大年の父が龍頭を巻いてをり       朝比古 亜ぐ苑藤百四
正直に茶碗に雪を受け来たる       藤幹子
面倒な面子そろひて振る羽子板      藤幹子 由
羽根突きや烏城の屋根は堀に落つ     藤幹子
日の当たる雑煮椀から破裂せり      藤幹子 恵
厭世家ちよろぎのやうな家に住み     藤幹子 朝
浅草や正ちゃん帽の御老人        苑を  こぐ藤
面倒を念入りにする初化粧        苑を  ぐ百四
一本の煙突があり御元日         苑を  朝ぽ藤千
序破急の破を過ぎて春待ちかぬる     苑を
初売に奇つ怪なもの混じりゐて      苑を
正義論うたはれ尽きて去年今年      千代路
初写真委細面談にて候          千代路 亜苑恵四
賀状まゐる天使突抜てふ町へ       千代路
序破急で自転車こぐや初げしき      千代路 こぽ藤由百
炬燵猫いま頏(のど)だけは確かに居    千代路
正しくは哀しみといふ空の青       こゆ  恵
小面の内側にある銀河          こゆ
地吹雪・雪晴・恋・唐突         こゆ
浄玻璃を破って逃げた青い鳥       こゆ
初明り海月はきょうも夢ごこち      こゆ  朝
一年に一度の正座雑煮喰ふ        百花  こぽ由四
太箸や面取りの角立つは良き       百花
初泣きの児の突進す父の胸        百花  こ亜苑ぽ藤由千
少年の夜目に破魔矢の白さかな      百花  亜ぐ苑恵藤
初星のぴしりぴしりと深呼吸       百花  こ亜苑藤千
正論を吐きて海鼠を俯瞰せり       亜紀  四
面倒見よき人と酌む年酒かな       亜紀  朝こぽ
着膨れの突如あらはる牛丼屋       亜紀
三毛猫の突破したるよ白障子       亜紀  朝恵
使用済み電池溜まりて冬深む       亜紀  ぐぽ由千
初春や気ままにジャズを流す店      亜紀  苑
雲の端の煌いてゐる初景色        亜紀  朝ぽ百
人日や小銭くづすといふことを      亜紀  ぐ千
水鳥の啄ばむ水のひかりけり       亜紀  こぽ藤
賀正派が謹賀新年派に押され       由季  亜千四
面倒な飾り方して鏡餅          由季  ぐ百
大年を突慳貪な風が吹く         由季  こぐ恵
人日の餃子の皮の破れたり        由季  朝ぐぽ百四
初鏡のなかの時計を読まんとす      由季  ぐぽ百千
正直な形首を伸ばす白鳥         恵
面倒なことはさておき着膨れる      恵   朝こ亜苑藤由百千四
空気に穴白鳥は突撃せよ         恵
破裂するまで手袋を膨らます       恵   朝
猫の尾をぐっと握って冬ざれる      恵
学校の正面玄関去年今年         ぽぽな 朝苑恵由
初明り小面の肌透きとおる        ぽぽな こ
頬杖を突いて見ている花がるた      ぽぽな 朝苑恵百
伊勢海老をぱきりぴきりと破きけり    ぽぽな 亜苑
初笑アンディーウォーホールのマリリン  ぽぽな
人日の金正日の変はらざる        四童
人日の表面積に驚けり          四童  由千
突発性大食ひとなる七日かな       四童  こぐ藤由
破局して破滅してゐる七日かな      四童  亜由千
牛丼の並々ならぬ七日かな        四童  亜苑恵ぽ藤由

(以上)集計:四童

自己紹介その他ご歓談は、俳句モナカの方でぜひお願い致します。

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