2013年3月4日月曜日

応援学割句会・投句一覧

 たいへんお待たせしました。

【応】
さえずりの反応したる周波数
チューリップひらいて耳が反応す
ベロウソフ・ジャボチンスキー反応日永
リラ冷や会議は質疑応答へ
阿と言いて吽と応へる土筆摘み
応援歌遠くなりけり春の虹
応分にすこし小さく官女雛
啓蟄や応接室の抽象画
手応へのありし返答あたたかし
春昼の応答の無き無線かな
春昼の否応のなき土蔵かな
順当な化学反応猫の恋
野遊びに行つたきり応答が無い

【援】
移動支援制度利用して踏青
援軍が来て午後からを耕せり
援軍のやうに桜の咲き始む
援軍の菜の花を生け待つてゐる
援用もそこまでやるか風信子
応援をしなくても咲く花辛夷
春泥を渡つてきたり応援団
声援は迷惑らしい恋の猫
声援を受ける背中や風光る
草餅も入れて救援物資とす
嗚呼古き時代の花の応援団
菫咲く彼方に支援戦闘機

【学】
いつのまに列なしてゐる入学子
おほいなる学舎として辛夷かな
チューリップ黄色大原簿記学校
学び舎の長き廊下や卒業す
学び舎の厠にかかる春の虹
学校に増やす人ゐて沈丁花
学校に裏山のあり山桜
学食と堅焼そばを卒業す
学食にある簡単な雛飾
学生寮規則厳しくヒヤシンス
後学のために落第してみたの
春ショール直して留学を告げた
春光へいつせいに投ぐ学生帽

【割】
ちぐはぐに割れる割り箸鳥ぐもり
ままならぬ誌面割付春の月
下萌や額の割れてゆく心地
割れるやうに遠足のバス降りてくる
割印を押して締結梅真白
割算が苦手のままに卒業す
割礼の白木蓮のおびただし
時間割に斜線の引かれ花曇
春星の割愛されし名前かな
水割の焼酎薄し目刺苦し
鳥雲に日割で払う電気代
薄氷の憐れむやうに割れてをり

【当季雑詠】
きさらぎの面影残す少女かな
クロッカスゆるすゆるせぬゆるすゆる
チェアマンの椅子の黒々夕長し
でこぼこを越え菜の花に辿りつく
九〇年代知らぬ世代のさへづれり
国家試験はめ殺し窓にヒヤシンス
姉さんの湯掻いてくれし三月菜
宗教画ドラマチックに若布寄す
掌で海胆はふしぎな踊りする
日溜りにぶらんこの揺れ残りをり
年度末進行崩壊二月尽
発情のかほヒトにあり沈丁花
微分して積分をして蘖す
本日も整列乗車あたたかし
朧夜のシャワーヘッドに穴あまた

(以上)

12句選(特選、逆選なし)
選句締切:3月6日(水)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から12句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
なお、右側にあった「最近のコメント」という欄は、ガジェットが壊れたらしく現在使えません。

ではよろしくお願い致します。

12 件のコメント:

  1. ●応分にすこし小さく官女雛
     これも本来は差別ですね。

    ●援軍のやうに桜の咲き始む
     頼もしい援軍です。

    ●声援は迷惑らしい恋の猫
     つい声援したくなりますが。

    ●声援を受ける背中や風光る
     きれいにまとまりました。

    ●嗚呼古き時代の花の応援団
     そういえばこんなマンガがありましたね。

    ●いつのまに列なしてゐる入学子
     本当にいつのまに大きくなったのやら。

    ●学校に増やす人ゐて沈丁花
     そう、かげで働く用務員の方かしら。

    ●春光へいつせいに投ぐ学生帽
     映画のひとこま。

    ●ちぐはぐに割れる割り箸鳥ぐもり
     牛丼屋ではいつもそうです。

    ●下萌や額の割れてゆく心地
     春の大地からは血が湧いて来るのかも。 

    ●割れるやうに遠足のバス降りてくる
     一斉に園児が飛び出して来ました。

    ●でこぼこを越え菜の花に辿りつく
     最近はどこも整備された土地ばかりで、こういうでこぼこは感動ものです。

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  2. ◯さえずりの反応したる周波数
    特殊な周波数があるのでしょう。

    ◯ベロウソフ・ジャボチンスキー反応日永
    ベロウソフ・ジャボチンスキー、ググりましたw。日永が案外しっくりと。

    ◯応援歌遠くなりけり春の虹
    距離的な遠さでなく心理的なもの。

    ◯野遊びに行つたきり応答が無い
    どうしたんでしょう。まさか神隠し?

    ◯声援は迷惑らしい恋の猫
    そりゃそうです。

    ◯嗚呼古き時代の花の応援団
    どおくまん、好きです。

    ◯菫咲く彼方に支援戦闘機
    菫にグッと焦点を合わせる。ちょっと不気味な風景ではあります。

    ◯チューリップ黄色大原簿記学校
    造花っぽい。

    ◯学び舎の厠にかかる春の虹
    並んで立つタイプの昔の男子便所。

    ◯学食にある簡単な雛飾
    折り紙とか。

    ◯時間割に斜線の引かれ花曇
    そういえば、そうでした。新学期の風景。

    ◯きさらぎの面影残す少女かな
    如月ハニー。その実態は。

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  3. ◯チューリップひらいて耳が反応す
    なぜ耳?どういう反応? かゆくなったりして^^;

    ◯阿と言いて吽と応へる土筆摘み
    土筆摘みの渋さが感じられます。

    ◯応援歌遠くなりけり春の虹
    そういえば昔、大きな陸上競技会の時、学校全体の応援練習とかあったなぁ、と思い出しました。


    ◯応分にすこし小さく官女雛
    なるほど。じっくりお雛様を見ていたんでしょうね。

    ◯春昼の応答の無き無線かな
    いかにも長閑。ぼんやり待っている、というより、主も外に出かけてしまって残されている無線機という感じ。

    ◯草餅も入れて救援物資とす
    心遣いがあたたかい。

    ◯嗚呼古き時代の花の応援団
    ふふふ、懐かしい。いまも応援団てあるでしょうけど、昭和とはだいぶ違うような気がします。

    ◯学食と堅焼そばを卒業す
    お世話になりました、という感じですね。

    ◯ちぐはぐに割れる割り箸鳥ぐもり
    春野でお弁当かな。こういう時に限ってヘンな割れ方する。

    ◯ままならぬ誌面割付春の月
    ご苦労さまです。徹夜になっちゃったんでしょうか。でも気が済むまでやるところがプロ。

    ◯水割の焼酎薄し目刺苦し
    奥さんが作ると薄くなるとか^^;

    ◯微分して積分をして蘖す
    いつかは蘖も大樹になる日が来ると思う。

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  4. ☆チューリップひらいて耳が反応す
    春の盛りの音がする。

    ☆阿と言いて吽と応へる土筆摘み
    土筆摘みがなんともよろしいです。

    ☆野遊びに行つたきり応答が無い
    それ私の友人です。

    ☆援軍が来て午後からを耕せり
    田んぼではなく午後からを耕して賑やかに。

    ☆草餅も入れて救援物資とす
    ああ、暗さがなくて優しくて、こんな救援句なら好きです。

    ☆学び舎の長き廊下や卒業す
    この学び舎は木造ですね。

    ☆学校に裏山のあり山桜
    そんな学校にいたかった。

    ☆学食にある簡単な雛飾
    ありそうです。

    ☆春光へいつせいに投ぐ学生帽
    いつの話ですか(笑) 春光の眩しさがいいです。

    ☆ままならぬ誌面割付春の月
    窓にぼんやりした月が出ても残業中。なこと言っても嫌いじゃない仕事。

    ☆時間割に斜線の引かれ花曇
    花曇のどんより感がいいですね。

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  5. ○チューリップひらいて耳が反応す
    パカッと開いた音が聞こえそう。

    ○ベロウソフ・ジャボチンスキー反応日永
    豪快な力技に一票。

    ○順当な化学反応猫の恋
    穏やかな恋のようで何より。

    ○援軍が来て午後からを耕せり
    これは心強い。よかったよかった。

    ○応援をしなくても咲く花辛夷
    あくまで自然の摂理のままに。

    ○声援は迷惑らしい恋の猫
    静かに見守ってほしいようです。

    ○学び舎の長き廊下や卒業す
    これが歩き納め。感慨もひとしお。

    ○春光へいつせいに投ぐ学生帽
    春光がお見事。歓声が聞こえてきそう。

    ○ちぐはぐに割れる割り箸鳥ぐもり
    きれいに割るのは案外難しいものです。

    ○鳥雲に日割で払う電気代
    なんだか侘しい景。

    ○チェアマンの椅子の黒々夕長し
    椅子の存在感で頂きました。

    ○九〇年代知らぬ世代のさへづれり
    若者の賑やかな声。八〇年代でもいいかも。

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  6. ○さえずりの反応したる周波数
    ありそうです。いちだんと賑やかに。

    ○チューリップひらいて耳が反応す
    思わぬところが反応。ひらひらしたところが耳に通じそう。

    ○ベロウソフ・ジャボチンスキー反応日永
    検索しましたが難しくてわからなかったです。語感で。

    ○援軍が来て午後からを耕せり
    来てよかったですね!

    ○声援は迷惑らしい恋の猫
    それは迷惑だと思います。

    ○草餅も入れて救援物資とす
    草餅を入れるのだからたぶんそれほど深刻な状況ではないのでしょう。

    ○学び舎の厠にかかる春の虹
    春の虹のぼんやり感があっていると思います。

    ○学食にある簡単な雛飾
    そういう光景に出会ったことはないのですが、あるあると思わせる不思議さ。

    ○ちぐはぐに割れる割り箸鳥ぐもり
    よくそういくことあります。季語がぴったりだと思います。

    ○割れるやうに遠足のバス降りてくる
    割れるようにという表現は新鮮かつ納得でした。

    ○宗教画ドラマチックに若布寄す
    いったいどういう状況なのか・・でも若布が良い味をだしているのです。

    ○朧夜のシャワーヘッドに穴あまた
    こういうところに目が行くのは朧夜らしい感じがします。

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  7. ★さえずりの反応したる周波数
     周波数の語感イイネ。
     
    ★野遊びに行つたきり応答が無い
     樹海だろうか。

    ★応援をしなくても咲く花辛夷
     応援をしないと咲かないのは月下美人あたりか。

    ★春泥を渡つてきたり応援団
     青春してるなぁ。どろどろ。

    ★チューリップ黄色大原簿記学校
     何故だか少々報われない感じが春っぽい。

    ★学食にある簡単な雛飾
     簡単、イイ。

    ★春光へいつせいに投ぐ学生帽
     青春してるなぁ。きらきら。

    ★時間割に斜線の引かれ花曇
     今日は半ドンです。

    ★鳥雲に日割で払う電気代
     侘しく切なく。

    ★きさらぎの面影残す少女かな
     透明感のよろしさ。

    ★でこぼこを越え菜の花に辿りつく
     春野とはこういうものかも。

    ★朧夜のシャワーヘッドに穴あまた
     当たり前のことを当たり前に詠うよろしさ。

    返信削除
  8. ○チューリップひらいて耳が反応す
    マギー審司の耳のように。

    ○ベロウソフ・ジャボチンスキー反応日永
    日本の女子高生の快挙とは! これぞセレンディピティ、いや、怪我の功名?

    ○順当な化学反応猫の恋
    こちらはお定まりの。

    ○援軍が来て午後からを耕せり
    どうなる?TPP.

    ○声援は迷惑らしい恋の猫
    そりゃそうだ。

    ○チューリップ黄色大原簿記学校
    固有名詞が効いています。

    ○学食にある簡単な雛飾
    折紙のお雛様でしょうか。

    ○春ショール直して留学を告げた
    相手は恋人か。

    ○ちぐはぐに割れる割り箸鳥ぐもり
    あるある。

    ○鳥雲に日割で払う電気代
    春は引越しの季節。

    ○国家試験はめ殺し窓にヒヤシンス
    窮屈感がよく表現されています。

    ○本日も整列乗車あたたかし
    トイレにも「汚すな」ではなくて「いつもきれいに使っていただいてありがとうございます」と。それと同じようなことをアナウンスしているのですね。

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  9. ○さえずりの反応したる周波数
    いかにもです。

    ○チューリップひらいて耳が反応す
    感受性豊かな反応です。

    ○リラ冷や会議は質疑応答へ
    張り詰めた空気感が伝わります。

    ○応分にすこし小さく官女雛
    応分、ですね。

    ○声援は迷惑らしい恋の猫
    ははは、そうですよね。

    ○おほいなる学舎として辛夷かな
    学生時代を思い出します。

    ○学食にある簡単な雛飾
    簡単なで情景ありあり。

    ○ちぐはぐに割れる割り箸鳥ぐもり
    あるある感。

    ○割れるやうに遠足のバス降りてくる
    割れるようにとは、なるほど。

    ○時間割に斜線の引かれ花曇
    懐かしいです。w

    ○きさらぎの面影残す少女かな
    和風の雰囲気。

    ○微分して積分をして蘖す
    蘖とはそのようなものかも。

    返信削除
  10. ○さえずりの反応したる周波数
     求愛行動に影響を及ぼす周波数があるのですね。

    ○啓蟄や応接室の抽象画
     応接室とかビルの入口とかにだまされたとしか思えない抽象画かかっていますよね。季語が、今年も騙されそうでいいです。

    ○春昼の応答の無き無線かな
     春昼感が横溢していますね。

    ○草餅も入れて救援物資とす
     こういうちょっとしたものが喜ばれるんです、とか主張する人がいそうですね。

    ○いつのまに列なしてゐる入学子
     これは感動的です。

    ○学校に増やす人ゐて沈丁花
     階段めいていていいですね。

    ○学食にある簡単な雛飾
     「簡単な」が動かないですね。

    ○後学のために落第してみたの
     それで人生を棒に振ってしまったのですね。

    ○ままならぬ誌面割付春の月
     これ、なんともおぼろで悩ましいですね。

    ○きさらぎの面影残す少女かな
     いいなあ。

    ○掌で海胆はふしぎな踊りする
     確かに。

    ○微分して積分をして蘖す
     「を」がなんとも字数合わせで惜しまれるのですが、「蘖す」がいいですねえ。

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  11. お久しぶりです。遅くなってしまいました。(汗

    ◯阿と言いて吽と応へる土筆摘み
    以心伝心の二人の関係がいいですね。

    ◯啓蟄や応接室の抽象画
    カンディンスキーあたりでしょうか。この時期だけになにやらうごめいて見えてくるのかもしれませんね。

    ◯援軍のやうに桜の咲き始む
    桜には本当に励まされます。

    ◯声援は迷惑らしい恋の猫
    そうでしょうね。でも「よ、がんばれよ」とかも言いたくなる気持ちもわかります。

    ◯草餅も入れて救援物資とす
    季節の癒しがとどきますように。

    ◯学食にある簡単な雛飾
    折紙の雛飾りが目に浮かびました。

    ◯後学のために落第してみたの
    社会勉強、とかよく言ったのを思い出します。口語が効いてますね。

    ◯春光へいつせいに投ぐ学生帽
    美しく決まりました。

    ◯割礼の白木蓮のおびただし
    崇高さに潜む痛々しさが見事。

    ◯水割の焼酎薄し目刺苦し
    安酒屋の感じがたまりませんね。「薄し」「苦し」の畳み掛けがとほほ感をあますことなく演出。

    ◯鳥雲に日割で払う電気代
    もうすぐっ越しで月額を避けたのか、とにかくその日暮らしでやむを得ずなのか。いずれにしても中七下五の日常感が物化が良かったです。

    ◯日溜りにぶらんこの揺れ残りをり
    「ぶらんこの揺れ」が残っているというのがさらっと素敵。
    以上です。

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  12. ○さえずりの反応したる周波数
    周波数がいいなあ。色々なさえずりの音が想像できます。

    ○チューリップひらいて耳が反応す
    不思議だけど、納得しちゃうのは、チューリップと耳が
    呼応しているからでしょうか。

    ○援軍のやうに桜の咲き始む
    湧くように咲く桜の姿が大きく頼もしい。

    ○声援は迷惑らしい恋の猫
    笑ってしまいました。恋猫の句でこういうふうにも
    詠めるのですね!

    ○春ショール直して留学を告げた
    青春の1ページの別れが映像として見える。

    ○ちぐはぐに割れる割り箸鳥ぐもり
    季語が抜群。

    ○割礼の白木蓮のおびただし
    割礼というインパクトある言葉が、白木蓮の存在感に支えられて、何かが漲っている。

    ○クロッカスゆるすゆるせぬゆるすゆる
    リズムと言葉の連なりが、いい。クロッカスもいい感じ。

    ○でこぼこを越え菜の花に辿りつく
    菜の花の黄色の群れが見えるようです。

    ○掌で海胆はふしぎな踊りする
    ふしぎな踊りという表現が、効いていると思います。

    ○微分して積分をして蘖す
    確かにそういう感じがある。言いえて妙

    ○朧夜のシャワーヘッドに穴あまた
    よくわかるし、詩的な表現。味わうことのできる
    俳句っていいなあとしみじみ。

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