2013年1月17日木曜日

東京家族句会・作者発表

お待たせしました。

雪だるま東に向けて据ゑにけり  朝比古   四苑独
京野菜鎌倉野菜日脚伸ぶ     朝比古   亜
人日の卓に家庭の医学かな    朝比古   四ら苑亜
夜の雪暴走族の音遠く      朝比古   亜独
混沌のラガーひとひらづつ剥がす 朝比古   ら苑亜た

懐手ほどいて東の暗刻切り    らくだ   四独緋
駅弁に河豚よ京王百貨店     らくだ    
悴みて鳴家も鳴りを潜めたる   らくだ    
水族館では輪をくぐる冬の季語  らくだ   ぐ
息白く墨染の列過ぎゆきぬ    らくだ   緋

ティッシュ配る東洋人の悴むる  独楽    ぐ
霜踏んで北京ダックの薄き皮   独楽    朝
吉野家の無言なりけり寒夜明く  独楽    亜たぐ緋
冬の灯に華族のドレス紅き襞   独楽    朝
冬ざるる音漏れ来れば浜崎あゆみ 独楽    

初電話よせくる波の東向く    たろう    
こっぽりの京の路地裏冬りんご  たろう   緋
家政婦の壁に耳あり寒の雨    たろう   ぐ
日脚伸ぶかしまし族のパンタロン たろう   亜緋
陽だまりの小さなあした冬すみれ たろう   苑亜

北関東に雪のちらつく初神楽   苑を    朝
仰山に京菜漬けはる冬日向    苑を    四らた
喪の家の賑やかになり花八手   苑を    朝
姻族に囲まれてゐるお正月    苑を    
蒲団並べてたいおんの淋しかり  苑を    四ら

東からヒタリと迫る逢魔時    緋茶    
あの人の10キロ隣りの京都観光  緋茶    
目覚ましや平日朝6時の家出   緋茶    ぐ
家族へと宛てられた手紙黒い雲  緋茶    
三ッ星を結び直して五七五    緋茶    

極東の日当たるところ冬たんぽぽ 亜紀    
上京の浅草に買ふ切山椒     亜紀    朝苑独
家並の途切れてしまふ冬夕焼   亜紀    四苑独緋
一族の中に白犬初写真      亜紀    四苑独
冬の海見つめる画家のベレー帽  亜紀    朝
日本橋過ぎて丸善はや七日    亜紀    た独
よく目立つところに吾と雪だるま 亜紀    朝緋

六弦で東京音頭ひき初めす    ぐみ    
新年を占ふことも京の菓子    ぐみ    ら
家ぐるみ初うぐひすに息止めて  ぐみ    四た
一族に福耳兎に長き耳      ぐみ    ら苑た緋
若水に巳年の蛇口きらきらと   ぐみ    四朝独
初鳩にいま何時かと聞いてみる  ぐみ    朝

縄跳びの東直子の光りをり    四童    ぐ
着膨れの京浜東北線並ぶ     四童    ら苑亜独
専門家としては潤目鰯かな    四童    らぐ
よい族もよくない族も春を待つ  四童    らたぐ
地軸いまおほいに傾ぎ日脚伸ぶ  四童    亜たぐ緋

以上。(集計:四童)

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