2013年1月2日水曜日

地上波初句会・作者発表

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

地下街に雪の気配を感じをり    朝比古   四ぐ
歳末や頓服薬が卓の上       朝比古   苑ら
淡雪の電波の間すり抜けし     朝比古   四苑ぐ亜た緋
初台にころがつてゐる冬林檎    朝比古   苑亜緋
手袋の指もどかしく暮れにけり   朝比古   苑ぐ亜たら緋

地団駄を踏む音ありて去年今年   ぐみ    
煮凝や上海帰りのリルふたり    ぐみ    朝亜た
波平に黒髪ありしころの雪     ぐみ    朝苑亜ら緋
ボーナスも最初で最後七軒目    ぐみ    
冬木みな帆柱となり舫ひけり    ぐみ    四朝

数え日の地下鉄どこか非日常    らくだ    
角上魚類老いも若きも年用意    らくだ   四亜
電波塔試験放送風冴ゆる      らくだ    
土手道で初めて見たよ長元坊    らくだ 
   
地下街は春着の娘たちばかり    苑を    
盛り上がる上腕二頭筋玄冬     苑を    
寒波来る舌にざらりと砂糖菓子   苑を    四亜た緋
初空にちちははいもと駅に行く   苑を    
正座して受ければ清き年酒かな   苑を    緋

数え日のともす提灯路地の声    たろう    
日脚伸ぶ坂の上から見える塔    たろう   朝亜緋
風花の空のさざ波笛ふく子     たろう    
初御空山はひとりの露天風呂    たろう   朝ら
炬燵猫トロッコとろとろ山の駅   たろう
    
着膨れて意固地を通す家系なる   亜紀    四
だんだんと地声になつて霜の夜   亜紀    四
上野まで行くまでもなき年用意   亜紀    
物干しに残るハンガー寒波来る   亜紀    朝苑ぐら
波音の耳にやさしき枇杷の花    亜紀    
初版本ばかり集めて冬籠る     亜紀    朝苑ぐら
着膨れて待合室の小座布団     亜紀    朝苑緋
こんな日は頭でつかち玉子酒    亜紀    ぐ

火星からイヤフォンを耳に地球蹴る 緋茶    た
白い息上昇気流に乗せてみて    緋茶    
日光の波間にただよう蝉の声    緋茶    
初雪や振り返りもせぬ別れ際    緋茶    
寒いと呟くあなたに海眠る     緋茶    四た

天も地も人のうへなる海鼠かな   四童    ぐたら
結ひ上げて冬のひかりを楽にせむ  四童    
極月のもやもやとする超音波    四童    ぐた
初恋は新年の季語初恋す      四童    ら
村人が眠れぬ山に護摩を焚く    四童    

以上。(集計:四童)

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