お待たせしました。
広辞林の表紙外れてゐて流氷 苑を 朝ら亜緋露
渡来人の末裔として着ぶくれる 苑を 緋露
敬虔なふりをしている冬桜 苑を 朝独
英雄伝説氷柱いつぽん折れてをり 苑を ら露
ぼたん雪ちちはは死んでから止まず 苑を 四独た緋
合コンの背広の胸の冬薔薇 独楽
握り飯冷たし雨の渡月橋 独楽
肩張つて敬具と結ぶ寒見舞 独楽
雪もよひ雌雄決する盤に座す 独楽 苑ら亜
大寒のメール「ごめん」と打ち始む 独楽
残る雪また少し汚れてしまひ 独楽 苑
事務始め机広々してゐたり 朝比古 苑四独亜
渡辺をなべちやんと呼ぶ春隣 朝比古 苑
敬礼の指の反りけり冬怒涛 朝比古
英雄の好みさうなる雪をんな 朝比古
零戦の小さきプロペラ雪催 朝比古 露
手を広げ倒れてみせる雪野原 らくだ 四独亜
手をあげて冬帽の列渡りゆく らくだ 苑た露
北風は敬称略でかまわない らくだ 緋露
丹頂や雄弁なるも神の業 らくだ
ひと仕事終えて懐炉を取り出しぬ らくだ 苑独
四温晴れえくぼほがらに広間の子 たろう
風花の風のゆるゆる空渡る たろう 朝
挨拶の敬語やわらか餅を焼く たろう 朝独亜緋
雄鶏の鶏冠のさかの初日の出 たろう
大仏の胡坐股座大神楽 たろう 四
冬うらら道を広げて遅刻します 緋茶 四らた
あぁ神よ渡る世間の福笑い 緋茶
カーソルの産み落とす敬語理路整然 緋茶
雄猫の宿命ヒトに定められ 緋茶 四
朝ぼらけ一の字を書くずれ眼鏡 緋茶
待春の広間に背広吊るされて 亜紀 緋
手渡せる赤きバトンや冴返る 亜紀
愛嬌をふりまく尻尾日向ぼこ 亜紀 苑
盤上の敗者雄弁寒波来る 亜紀
幅広の運動靴やヒヤシンス 亜紀 朝露
コロッケの揚げたてなるを日脚伸ぶ 亜紀 ら
牛撫づる小さきてのひら春浅し 亜紀 独
着ぶくれて広東麺にたどり着く 露結 朝ら独亜た
冬の橋渡る架空の家があり 露結 朝四た緋
枯葉枯葉妻が敬語を使ひけり 露結 苑四ら独亜た
春近き雌雄異体でありにけり 露結 四ら
冬のビルが林檎ジュースに透けてゐる 露結 苑朝亜緋
春よりも春の隣の広さかな 四童 ら亜た露
人類に渡月橋あり日脚伸ぶ 四童 た
尊敬に値してゐる海鼠かな 四童 朝
雄蘂より雌蘂に似たる春の闇 四童 た露
人気なき隣の駅に日脚伸ぶ 四童 緋
以上。(集計:四童)
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