大きかり金融街の門松は 朝比古
井戸の水こきこき汲みて二日かな 朝比古 四
秀の字の大きく蜜柑届きけり 朝比古 藤亜た
雪丸げ雪喜ばすごときかな 朝比古 藤ぐら亜
厨から問はれし雑煮餅の数 朝比古 ぐら亜緋
松明をかかげ女神の凍りけり ぐみ 藤ら亜た
冬蝶のやうに井桁の家紋かな ぐみ ら
秀才でなくてもなれる年男 ぐみ 朝
押し合へる喜びあまた福袋 ぐみ 亜緋
海底の陸につながる四方拝 ぐみ
鍋洗ふ音の広がりて松の内 藤幹子 た
わが布団永久に不滅よ青天井 藤幹子
海峡を越えて秀逸なる嚏 藤幹子 朝ぐた四
海鼠より海鼠を出だし喜びぬ 藤幹子 四
元旦の二段ベッドへ朗らかに 藤幹子
門松や日の丸見るも久しぶり らくだ 朝藤
四日はや井戸端会議開かるる らくだ 朝藤四
優秀の上に最あり寝正月 らくだ ぐ亜緋
新婚の喜色満面年賀客 らくだ
お年玉いただくまでの正座かな らくだ 朝亜
松の内あくび殺して活字体 たろう 緋
陽だまりの庭の古井戸冬すみれ たろう
欠伸する奴は秀才こたつ猫 たろう 緋
ちょび髭の喜色ぎらぎらえべっさん たろう
里山のひかりやわらか寒卵 たろう 朝藤ら緋
冬ざれや松の木はただ何年も 緋茶
空のない街に覚ゆる井戸の底 緋茶 らた四
少しだけ秀でた雲の落とす陰 緋茶 ぐ
点袋華やかにして喜寿の冬 緋茶
太陽の下で読書なんて嘘 緋茶
松過ぎの映画館なりポップコーン 亜紀
着膨れて井戸端会議めく路上 亜紀 四緋
先生に似せて秀逸懐手 亜紀 藤
喜びの中心にある冬帽子 亜紀 朝た四緋
常備薬買ひに行きたる雪だるま 亜紀
外套の今日は明るき色を選る 亜紀 朝藤らた四
門松のオルガン東雲へ天へ 四童
井戸に棲み初御空かも知れぬ空 四童 ぐた
優秀な人材にして飾海老 四童 ぐら亜
喜望峰万景峰号初茜 四童
極寒を仮の淑気と致すかな 四童 ぐ
以上。(集計:四童)
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