2013年1月6日日曜日

松井秀喜句会・投句一覧

 お待たせしました。

【松】
松の内あくび殺して活字体
松過ぎの映画館なりポップコーン
松明をかかげ女神の凍りけり
大きかり金融街の門松は
冬ざれや松の木はただ何年も
鍋洗ふ音の広がりて松の内
門松のオルガン東雲へ天へ
門松や日の丸見るも久しぶり

【井】
わが布団永久に不滅よ青天井
井戸に棲み初御空かも知れぬ空
井戸の水こきこき汲みて二日かな
空のない街に覚ゆる井戸の底
四日はや井戸端会議開かるる
着膨れて井戸端会議めく路上
冬蝶のやうに井桁の家紋かな
陽だまりの庭の古井戸冬すみれ

【秀】
海峡を越えて秀逸なる嚏
欠伸する奴は秀才こたつ猫
秀の字の大きく蜜柑届きけり
秀才でなくてもなれる年男
少しだけ秀でた雲の落とす陰
先生に似せて秀逸懐手
優秀な人材にして飾海老
優秀の上に最あり寝正月

【喜】
ちょび髭の喜色ぎらぎらえべっさん
押し合へる喜びあまた福袋
海鼠より海鼠を出だし喜びぬ
喜びの中心にある冬帽子
喜望峰万景峰号初茜
新婚の喜色満面年賀客
雪丸げ雪喜ばすごときかな
点袋華やかにして喜寿の冬

【当季雑詠】
お年玉いただくまでの正座かな
海底の陸につながる四方拝
外套の今日は明るき色を選る
極寒を仮の淑気と致すかな
元旦の二段ベッドへ朗らかに
常備薬買ひに行きたる雪だるま
厨から問はれし雑煮餅の数
太陽の下で読書なんて嘘
里山のひかりやわらか寒卵

(以上)

8句選(特選、逆選なし)
選句締切:1月8日(火)24時(JST)
投稿先:恒信風句会
http://koshinfu.blogspot.com/

題に関わらず全体から8句選にてお願い致します。
整理の都合上、句の順番はそのままにして下さい。
投句一覧へのコメントとして、投稿して下さい。その際、名前/URLというのを選択して、俳号もしくはご本名を入力して下さい。URLは入れなくてよいです。
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ではよろしくお願い致します。

8 件のコメント:

  1. ★門松や日の丸見るも久しぶり
     去年のオリンピックの時以来だろうか。

    ★四日はや井戸端会議開かるる
     なぜか鳩首会議のような趣で。

    ★海峡を越えて秀逸なる嚏
     秀逸な嚏とはいかなるものなのか。人は見えずとも対岸から聞えてきたのかしら。

    ★秀才でなくてもなれる年男
     確かにそうだけど。なんだか今年年男の私には複雑な感慨。

    ★喜びの中心にある冬帽子
     たまには明るい話題もないと。

    ★お年玉いただくまでの正座かな
     うむ。とりあえずの体を取り繕うのは大事。

    ★外套の今日は明るき色を選る
     明暗、色違いの外套をお持ちなのねん。良いことが待っているといいですなぁ。

    ★里山のひかりやわらか寒卵
     寒卵の滋養のありそうな感じ、イイ。

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  2. ○松明をかかげ女神の凍りけり
    世界の終末のようでもありますね。氷河期。

    ○門松や日の丸見るも久しぶり
    旗がある家もなかなかない昨今ですが、それでも必ず町内に数軒はあるのが不思議。

    ○四日はや井戸端会議開かるる
    正月の親戚周りの噂・口、早く話したくてしょうがないですわ。

    ○秀の字の大きく蜜柑届きけり
    確かに!あの秀の文字、忘れてました。

    ○先生に似せて秀逸懐手
    クラスにひとりは居る。

    ○雪丸げ雪喜ばすごときかな
    雪を散らせながら駆け回る様子が。

    ○外套の今日は明るき色を選る
    ウキウキしてる感じが良いですね。

    ○里山のひかりやわらか寒卵 
    産みたてでしょうか、そっともちあげたい。

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  3. ◇井戸に棲み初御空かも知れぬ空
    同調好きの日本で独り我が道を行く人だろうか。
    いいぞいいぞとエールを送ります。

    ◇海峡を越えて秀逸なる嚏
    スケールが大きくて好き。ノーベル賞候補とでも噂されたのだろう。

    ◇少しだけ秀でた雲の落とす陰
    影でないので、人格ならぬ雲格の問題か。雲に優劣ありとは知らなんだ。

    ◇優秀な人材にして飾り海老
    人材を使いこなす人材が必要。比喩に一票。

    ◇優秀の上に最あり寝正月
    ほんと、上には上があります。無理はしないと決め込むのもアリ。

    ◇雪丸げ雪喜ばすごときかな
    粉雪がきゅっきゅっと鳴るのは、喜んでいるんですね。

    ◇極寒を仮の淑気と致すかな
    痛いほどの寒さは正月ならば、おごそか感すらあるのだろう。
    仮のとあるのは詠み手の主観と断っているのだろうから、律儀なことで。

    ◇厨から問はれし雑煮餅の数
    こちらは問う立場。日本式正月を祝う家庭では、どこも同じやりとりがあったことでしょう。


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  4. ○松明をかかげ女神の凍りけり
    ニューヨークの冬は寒いらしいですから、松明も女神も凍えているでしょう。

    ○空のない街に覚ゆる井戸の底
    高層ビルの谷間で空を見上げたら自分のいるところが地の底みたいに感じてしまいます。井戸の底とはなるほど、限られた空を見上げる感覚にぴったり。

    ○冬蝶のやうに井桁の家紋かな
    家紋のついた井桁がある家って相当じゃないですか? 部屋がまたしんと寒そう。

    ○優秀な人材にして飾海老
    あらー、優秀なのにもったいない^^;と思っていいのか、優秀でないものをおめでたい時に飾りたくないから、いいのだ、と思うべきか。などと悩んで作者の思うつぼ。

    ○雪丸げ雪喜ばすごときかな
    楽しそうですね~。ちょっとした坂にでもなっていたら、喜び勇んで転がるんでしょう、で、坂のほうはちょっとくすぐったい。冷たい雪に別の一面発見。

    ○外套の今日は明るき色を選る
    そうです、冬ざれの時ほど明るい色、きれいな色を着ましょう!

    ○厨から問はれし雑煮餅の数
    問う方も問われる方も皆、この正月何度かやり取りしたと思います。ほっとする正月の風景。

    ○里山のひかりやわらか寒卵
    そこここに産み落とした卵に羽毛など付いていたり。寒さの中にもひかりのやわらかさを感じるこの里山は、雪国ではないでしょうね。

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  5. ○松明をかかげ女神の凍りけり
    自由の女神像ですね。

    ○秀の字の大きく蜜柑届きけり
    そういえば、秀の字ありましたね!

    ○優秀な人材にして飾海老
    飾の一字が意味深い。

    ○優秀の上に最あり寝正月
    上には上が。

    ○押し合へる喜びあまた福袋
    そのほうがお得感が。w

    ○雪丸げ雪喜ばすごときかな
    雪喜ばすとは発見。

    ○お年玉いただくまでの正座かな
    ははは、いつの時代も変わりませんね。

    ○厨から問はれし雑煮餅の数
    あるある感があります。

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  6. ○松明をかかげ女神の凍りけり
     和洋の取り合わせ、が凍っている。可笑しみがある。

    ○ 鍋洗ふ音の広がりて松の内
    松の内ののんびりした気分がある。

    ○ 井戸に棲み初御空かも知れぬ空
    井戸に映った初御空の発見。

    ○ 空のない街に覚ゆる井戸の底
    光のささないビルの谷間は、井戸の底。

    ○ 海峡を越えて秀逸なる嚏
    秀逸なる嚏の、海峡を越える、ばかばかしい可笑しさ。

    ○ 秀の字の大きく蜜柑届きけり
    子供がいなくなって、秀の字も見なくなった。

    ○ 喜びの中心にある冬帽子
    冬帽子が生き生きしている。

    ○ 外套の今日は明るき色を選る
    女性の楽しみ。おっちゃんは、選るほどの外套をもたない。

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  7. ○井戸の水こきこき汲みて二日かな
     秋元不死男みたいなオノマトペですね。

    ○空のない街に覚ゆる井戸の底
     高いビルに囲まれた感じでしょうか。

    ○四日はや井戸端会議開かるる
     だいたい帰省していた人が戻ってきたりするのでしょう。

    ○着膨れて井戸端会議めく路上
     帰りの幼稚園バスを待つ感じでしょうか。

    ○海峡を越えて秀逸なる嚏
     これは壮大ですね。

    ○海鼠より海鼠を出だし喜びぬ
     マトリョーシカのような海鼠ですね。
     
    ○喜びの中心にある冬帽子
     冗談ばっかり言っている老人のような気がします。

    ○外套の今日は明るき色を選る
     ちょっと前までは外套など一着しか持っていないのが普通だったような気がしますが、価格破壊が進行しましたからねえ…。

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  8. ○松の内あくび殺して活字体
    年賀状をぱらぱらとめくるのも正月の楽しみですね。

    ○着膨れて井戸端会議めく路上
    井戸端会議は年中目にしますが、冬は占める体積が大きいので特に目立ちます。

    ○欠伸する奴は秀才こたつ猫
    くすっと笑ってしまいました。

    ○優秀の上に最あり寝正月
    お正月のテレビ番組では、誇張表現がいつもより多いように感じられます。

    ○押し合へる喜びあまた福袋
    私はいつも見ているだけですが、いろいろな楽しみ方がありそうです。

    ○喜びの中心にある冬帽子
    小さな子が冬帽子をかぶって走っている様子は、まさに“喜び”の象徴ですね。

    ○厨から問はれし雑煮餅の数
    日本のお正月の風景ですね。

    ○里山のひかりやわらか寒卵
    やわらかなひかりに、寒さで際立った卵の黄色が鮮やかです。

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